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なすの人気レシピ

5月上旬から露地ものが出始め、秋まで収穫が続くなす。シーズンの幕開けを飾るのは京都の賀茂なすや奈良の大和丸なすで知られる丸なす。最も多く流通する千両ナスや、生食できる水なすなど、夏に欠かせない食材です。今回は、「WA・TO・BI」でこれまで人気が高かったなす料理のレシピをご紹介します。

文:阪口 香 / 撮影:公文美和

目次


丸茄子の揚げだし——大阪『味菜(あじさい)』

大阪『味菜(あじさい)』の丸茄子の揚げだし撮影:東谷幸一

丸なすの皮をところどころむき、一口大に切って素揚げ。「しばらくバットにおいておくと中から水分が出てきて、自ら油を洗い流してくれるんですよ」と店主の坂本 晋(すすむ)さんが油抜き不要のレシピを公開。あとはカツオ昆布だし・薄口醤油・みりん・酒をひと煮立ちさせてかけ、もみじおろしとネギを添えたら完成だ。

▼丸茄子の揚げだしのレシピの詳細はコチラ

緑茄子と赤茄子の冷たいすり流し——京都『丹 tan』

京都『丹 tan』の緑茄子と赤茄子の冷たいすり流し撮影:竹中稔彦

素揚げした緑茄子(翡翠ナス)を、白味噌だしで炊いてフードプロセッサーにかけ、裏漉しして急冷。「夏に相応しい爽やかな香りと濃厚な味わいですよ」と店長の山手陽介さん。味付けをしない代わりにトマトと花穂ジソのピューレをかけ、緑と赤のコントラストが美しい一品に。緑茄子の味の輪郭をより爽快な印象へと導く。

▼緑茄子と赤茄子の冷たいすり流しのレシピの詳細はコチラ

水なすとフルーツのサラダ——大阪『島之内 一陽』

大阪『島之内 一陽』の水なすとフルーツのサラダ撮影:竹中稔彦

店主の小河原 陽一さんが「浅漬けではない、水なすの新たなアプローチを」と考えたのは、甘みや酸味のある9種のフルーツと共に供すサラダ。水なすは切ってから塩水に浸けて、フルーツと共にスダチ果汁をベースにしたドレッシングで和え、さらに田舎味噌をベースにしたドレッシングをかける。シャンパーニュや冷えた白ワイン、キレのいい冷酒とも相性がいいサラダだ。

▼水なすとフルーツのサラダのレシピの詳細はコチラ

ナスの共地あんかけ——京都『炭火割烹 いふき』

京都『炭火割烹 いふき』のナスの共地あんかけ撮影:ハリー中西

味の決め手になるのは、昆布とトマトを煮出してとった濃密なだし。水なすと賀茂なすをそれぞれ素揚げし、水なすはトマトだしで揚げ浸し。賀茂なすは、トマトだしとフードプロセッサーにかけて、あんにする。「揚げることで、水なすはとろんと滑らかな舌触りになり、賀茂ナスの味は濃厚に。それぞれの持ち味が際立ち、コクも出ます」と店主の山本典央さん。緑色のグラデーションが涼しげな印象だが、いただけば深い旨みとコク。もはや野菜のみで作った一皿とは思えないほどの満足感だ。

▼ナスの共地あんかけのレシピの詳細はコチラ

寺島茄子の南蛮煮——東京『江戸前芝浜』

東京『江戸前芝浜』の寺島茄子の南蛮煮撮影:公文美和

7~8月に旬を迎える江戸東京野菜の「寺島茄子」は、長さ7~12㎝ほどのやや小ぶりで、「蔓細千成(つるぼそせんなり)」とも呼ばれる江戸生まれの古い品種。煮切った日本酒に濃口醤油を加えて沸かし、冷ましてからナスを加えて煮るだけ。砂糖もみりんも加えず、すっきりキレのいい味わいに。店主の海原 大(かいばら ひろし)さん曰く「汁をたっぷり含ませて食べると、とろけるような食感が際立って美味しいですよ」。

▼寺島茄子の南蛮煮のレシピの詳細はコチラ

水茄子まんじゅう——大阪『さか本』

大阪『さか本』の水茄子まんじゅう撮影:福本 旭

みずみずしく、甘みも強い水なす。生食向きのイメージが強いが、「実は炊いても美味しいんですよ」とは、元大将の坂本靖彦さん。水なすを皮ごとすりおろし、カツオ昆布だしと水溶き葛粉を合わせて火にかけて煉り、塩茹でした水なすを芯にして茶巾に。蒸した後に揚げ、エビの風味を利かせたとろみあるだしをかけたら完成。つるんとした面白い食感で、ナスらしい風味も際立つ。

▼水茄子まんじゅうのレシピの詳細はコチラ

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