特集

大根のアレンジレシピ

年を越すと、だんだん甘みが増し、みずみずしくなる大根。シンプルな定番料理もいいですが、今回はアレンジレシピをご紹介します。洋や中華など他ジャンルの要素を組み合わせたものや、ひと手間加えて新味を味わわせるものも。プロの発想が光る5選です。

文:川島美保 / 撮影:海老原俊之

目次


ハマグリ大根のクリームあんかけ——大阪『味菜』

大阪『味菜』のハマグリ大根のクリームあんかけ撮影/東谷幸一

クリーミーな生クリームあんで仕上げる、寒い時季にうってつけの大根の煮物。カツオ昆布だしにハマグリで取った潮だしを合わせて底味をグッと上げ、ベーコンの旨みを重ねて味わいを深くしている。

多めの葛粉でとろみを付けてから生クリームを加えるとダマになりにくく、滑らかな口あたりに。大根だけでシンプルに仕上げるのも手だが、エビやハマグリを添えれば装いも味も豪華になる。一見濃厚そうに見えるけれど、和だしを抱き込んだ大根からじゅわりと滲み出る水分が、程よく口中をさっぱりさせてくれる。

▼ハマグリ大根のクリームあんかけのレシピはコチラ


煮穴子と大根の砧巻き——東京『有いち』

東京『有いち』の煮穴子と大根の砧巻き撮影/海老原俊之

甘くて柔らかい冬大根の持ち味を生かした、一品料理にも椀種にも使える汎用性の高い砧(きぬた)巻き。桂剥きしてからロール状に巻いた大根を蒸して、甘辛く炊いた穴子をクルクルと巻く。あとは再度だしを煮含めれば完成。大根の食感を残しながら穴子の旨みを大根へと移すために、ひと煮立ちさせたらすぐに火を消して、そのまま5時間以上置いて味を馴染ませるのがポイントだ。

穴子を身欠きニシンに替えると、より滋味深い印象に。だしをたっぷり張って柚子皮を散らせば椀種になるし、冷製にして八寸の一品にしても良い。

▼煮穴子と大根の砧巻きのレシピはコチラ


大根餅——京都『瓢亭』

京都『瓢亭』の大根餅撮影/ハリー中西

冬の寒さに耐えて瑞々しさと甘さを一層増した大根を、独創的な大根餅に仕立てるレシピ。イメージは、ブリ大根と唐墨大根の融合。

まずはすり下ろした大根に、1割程度の白玉粉を混ぜ合わせて大根餅を作る。粉の量を控えて大根の水分を生かし、蒸し上げてから少量の塩を足すことで、大根の甘みを奥から引き出す。

炭火で皮目を香ばしく焼いたブリと合わせたら、アゴだしと一番だしを3種の醤油で塩梅した複雑味あるあんをかけ、スライスした唐墨を添えたら出来上がり。モチモチとした大根餅にブリと唐墨を絡めながらいただく。

▼大根餅のレシピはコチラ


大根グラタン——大阪『和洋遊膳 中村』

大阪『和洋遊膳 中村』の大根グラタン撮影/東谷幸一

玉ネギソテーのビジュアルを真似た、味も見た目も遊び心満載の大根グラタン。丸々と肥えた青首大根をとことん主役にするために、生・揚・焼・煮の4種の手法を施し、一皿に盛り合わせているのも面白い。

厚切りした大根の断面を彫刻刀で玉ネギのように飾り切り。八方地を煮含めてから太白ゴマ油で焼いてステーキに。飾り切りする際に出た大根の端は塩麹と昆布を使った漬物にして無駄なく活用する。

田楽味噌から発想したグラタンソースは豆乳クリームと白味噌をベースに、大根葉のペーストをプラス。食感と香りのアクセントに揚げ大根餅を飾れば完成だ。

▼大根グラタンのレシピはコチラ


和牛すじと大根の小鍋——大阪『居酒屋 ときため』

大阪『居酒屋 ときため』の和牛すじと大根の小鍋撮影/東谷幸一

おでんでお馴染みの大根・牛スジ・厚揚げを組み合わせたユニーク小鍋。

まずは鶏の足(モミジ)と牛アキレスで取った白湯(パイタン)スープを作るところからスタート。その白湯スープにカツオ昆布だしを加えた旨み濃厚なだしで牛スジをじっくり2時間煮込んでそのまま冷やし固め、牛スジの煮凝りを作る。

大根はカツオ昆布だしをベースに白醤油とみりん、塩で色白に炊くだけ。下味をあっさりめに留めることで、牛スジの豊かな旨みをまといやすくしつつ、味のバランスを取る。

牛スジの煮凝りを八方だしで溶かしながらのばして、大根と厚揚げを加えてひと煮立ちさせ、水菜や白ネギを添えたら出来上がり。残ったスープに中華麺を入れて黒コショウを振れば、締めにピッタリの麺料理として二度楽しめる。

▼和牛すじと大根の小鍋のレシピはコチラ

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