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大阪『きたはま 雅楽』池部雅彦さんに聞く【5問5答】

『なだ万』グループをはじめ、日本料理店での料理長を長年経験した池部雅彦さんは、還暦を過ぎた2024年3月に独立。常にアンテナを張り巡らせながら挑む味づくり、店づくり、そしてSNSの活用術に関する5つの回答です。

文:船井香緒里 / 撮影:東谷幸一

目次


重宝している調味料は?

料理によって自家製したものを使い分けています。

私が料理づくりにおいて大切にしていること。それは季節らしさや食味はもちろん、色合いです。おいしさを追求しながら、素材の色を生かすにはどうしたら良いか? たどり着いたのが、旨みを利かせた自家製調味料でした。

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左から「うまみ白醤油」、「うまみ白ぽん酢」「うまみ白すきだれ」の3種です。

「うまみ白醤油」のベースは、市販の藻塩と白醤油。そこに濃縮させた干し椎茸の戻し汁や、カツオ昆布の一番だしを加えて味を調えています。いわゆる、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などを掛け合わせた「だし醤油」。自分で按配を考えながら作ると、料理との親和性が高まります。まろやかな旨みがあるため、とにかく白身との相性は抜群ですね。造り醤油としてはもちろん、煮切り酒で割ってヅケダレにするなど、万能です。

「うまみ白ぽん酢」は、「うまみ白醤油」をベースに、米酢や昆布、煮切りみりん、その時々に出回る柑橘の搾り汁などを加えたものです。
てっさや小鍋仕立てに添えることが多いですね。薄い琥珀色ですから、色を付けたくない料理にも使っていただけます。

お客様の目の前で作り上げる、すき焼きには欠かせない「うまみ白すきだれ」にも白醤油を使用。いわゆる割下ですが、みりんの代わりに赤酒を用い、干し椎茸の濃縮だしと砂糖で味を調えています。熊本に古くから伝わる赤酒は、上品な甘みと旨み、米麹由来の独特の風味が気に入っています。

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