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【レシピ付き】栗名月の一品 Vol.3 東京『和氣 旬』の「牛肉の栗味噌炭火焼 栗三種仕立て」

東京・日本橋に店を構えて2年半。『和氣 旬(わき しゅん)』という店名には、和気あいあいとした人との繋がりを大切にしながら、多彩な旬の材料を使った日本料理を供したいという思いが込められています。笑顔が優しい、人あたりの柔らかなご主人・宮原 瞬さんによるおまかせは、伝統と海外などで培った新趣向がバランスよく散りばめられた、季節のコース料理。この時季は茨城県産の「利平栗」を使い、栗味噌をたっぷり塗って焼く牛肉の炭火焼、栗の蜜煮、栗のすりおろしの“栗三種仕立て”が登場します。

文:瀬川 慧 / 撮影:大山裕平

目次


東京・日本橋『和氣 旬』宮原 瞬さん作
牛肉の栗味噌炭火焼 栗三種仕立て

カウンターに設えた炭床を使い、これまで魚や野菜、和牛赤身肉といった数々の炭火焼を供してきた宮原さん。今回教えてくれたのは、焼き栗で仕立てた“栗味噌”をつけて焼く牛肉料理だ。

まずは、蟹むき用のスプーンの先を器用に使いながら、焼き栗の鬼皮と渋皮を丁寧にむき、だしとみりんで炊き上げる。それをミキサーにかけてペーストにし、京都の麹たっぷりの白味噌と練り上げる。栗の細かい粒感が、舌に残るくらいの粗さに仕上げるのがコツだ。

「牛肉にこの栗味噌をつけて焼くと、チーズのような発酵の風味が生まれます」と宮原さん。コクのある栗味噌の味わいが加わり、深みと柔らかさを増した牛肉は、まさに秋のご馳走。お酒にもぴったりである。

焼き栗にして香ばしい風味を加える

「殻ごと栗を炭火で焼くのは、火を入れるというより、栗に香ばしい風味を加えるためです。この香ばしさが味噌をさらにおいしくしてくれます」。

ヒントは何とフランス・パリ時代に食べた、焼き栗から。この時季、手に入る利平栗は、実も大きくふっくらしており、栗らしいほっくり感があるという。そのおいしさを味わうためにも、ペーストにしても粒感が残るくらいに仕立てるのがベストなのだそう。

「あまりなめらかにしてしまうと、せっかくの焼き栗の香ばしい風味が飛んでしまいます。焼き栗ペーストと白味噌を合わせる際にも、様子をみながら煮汁を少しずつ加えるようにしてください」。

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