京都『二條 みなみ』南 建吾さんに聞く【5問5答】
調理師学校を卒業後、京都の粋筋が贔屓にする名割烹『祇園 川上』で、25年にわたり腕を磨いた南 建吾さん。2023年には、自身の店『二條 みなみ』を開き、今では京都でも評判の一軒として知られています。そんな南さんに5つの質問を通してお話しを伺いました。『祇園 川上』で培ったご縁を大切にする南さんの人柄が、言葉の端々に滲み出ています。
お気に入りの食材は何ですか。
兵庫の担ぎ屋『水口商店』から仕入れる鯛です。現在は三代目の水口貴士、翔平兄弟が頑張ってますが、お付き合いは私が『祇園 川上』にいた時、二代目の計則さんの時から。急逝に伴い、代替わりしたんです。
料理修業を始めてから毎日触ってて、私はこれを越える鯛を知りません。肉質が軟らかくて味がある。現在も造りやあら炊き、骨蒸しなどに仕立てています。
計則さんとのエピソードは山ほどあります。
入店して3年経った頃から魚の勉強会がスタートし、出勤前の朝5時から8時くらいまで『水口商店』の作業場で鯛の締め方や水洗いの仕方を教えていただきました。錦市場の魚屋『丸弥太』さんや『鳥羽庄(とばしょう)』さんにも連れて行ってもらい、経験を積ませていただきましたね。
『祇園 川上』の営業前には店に来られて、計則さんの前で鯛を卸していました。「お客さんに見られてるつもりで卸せ!」「汚い布巾で触るな!」と、よく叱られましたね。今となってはその通りだと思います。漁師や仲買人、担ぎ屋と何人もが繋いできた大切な食材ですから。
焼アナゴの鍋を食べさせていただいたことも印象に残ってますね。焼アナゴをザクザク切って、ゴボウと一緒に炊いた鍋で、山椒をかけて食べるんです。仕上げはうどん。さんざん飲みに連れて行ってもらった仕上げがそれで(笑)。最後の方、あんまり記憶がないですけど、めちゃくちゃ美味かったのを覚えています。
当代の水口兄弟になってからも、鯛のクオリティは変わってません。私が好きな1~1.2kgサイズのものを大切に繋いで、持ってきてくれています。
撮影/内藤貞保
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