味噌料理の人気レシピ
肌寒くなってくると食べたくなる味噌料理。「WA・TO・BI」でも数々のレシピをご紹介してきました。なかでも今回は、味噌に一技利かせた料理をご紹介。ブラッドオレンジの皮を加えた味噌幽庵地に漬けた焼き魚、魚や肉のソース代わりになる野菜の味噌漬け、春菊味噌を使った春巻きなど。プロのアイデアが光るレシピ6選です。
焼きサワラ 野菜味噌漬け添え——京都『stars’ sakesalon』
撮影/竹中稔彦
7種の野菜を仙台味噌(赤味噌)に漬ける、宮城・仙台の名物「七夕漬」をヒントにアレンジした味噌漬け。定番のキュウリと大根はそのままに、季節の野菜を漬ける。教わったのは、ウドやミョウガなど爽快な香味がある野菜に、青唐辛子のシャープな辛みで味を引き締めたもの。仙台味噌をベースに、だしで深みを、みりんで上品な甘みを添え、野菜を和えて一晩置く。
造り用のサワラの表面をサッと炙り、野菜の味噌漬けを添えたら完成だ。焼いた鶏肉や豚肉などのソース代わりに添えてもいい。
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大根グラタン——大阪『和洋遊膳 中村』
撮影/東谷幸一
風呂吹き大根と田楽味噌を大胆にアレンジした一皿。
土台となる大根は、断面を玉ネギに見立てて飾り切りを施し、八方地で含め煮にしてからステーキに。その上に、干しエビの香ばしさを利かせた大根餅と、飾り切りで出た切り端を塩麹に漬け、昆布で挟んでひと晩寝かせた「大阪漬」を重ねる。
田楽味噌には豆乳クリーム「濃久里夢(こくりーむ)」を合わせ、さらに豆乳クリームバター「ソイレブール」(いずれも『不二製油』製)を加えてまろやかなコクとツヤをプラス。大根の葉で色付けをし、彩りも美しく。随所に大根の魅力を散りばめた、遊び心あふれる一品だ。
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ボラとカラスミの腹子焼き ブラッドオレンジ味噌幽庵——東京『日本料理 初志(ういさね)』
撮影/公文美和
店主の郷土である愛媛産のボラに、同じ愛媛産の柑橘を合わせたい、という想いから発想した料理。味噌幽庵地にブラッドオレンジの皮を加えて漬け、焼き上げる。
ブラッドオレンジは、ポリフェノールを多く含み、濃厚な香りですっきりした酸味と豊かな風味が特徴。酒とみりんを煮切り、濃口醤油・薄口醤油・白味噌を加えて混ぜ、十分に冷めてからブラッドオレンジの皮を加える。
ボラは火を入れると皮目が硬くなるため、細かく庖丁を入れ、熱した油をかけてパリパリに。身の間にボラの卵であるカラスミを挟んで「腹子焼き」にし、程よいカラスミの塩気でボラの味わいを引き立てる。
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丸大根風呂吹き——大阪『さか本』
撮影/福本 旭
身質が緻密で、品のいい甘みがある丸大根。その特長を生かすため、米のとぎ汁で下茹でした後、カツオ昆布だしで炊き始め、塩とみりん、薄口醤油のわずかな調味で煮る。
合わせるのは赤味噌だが、コクと風味を増すために3割ほど八丁味噌(豆味噌)を混ぜる。卵黄に砂糖、みりん、酒を混ぜ合わせ、とろ火で約15分煉ったら完成。この赤味噌は鶏そぼろを合わせたり、牡蛎やサワラに塗って焼いても美味しく仕上がるという。
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焼き鯖と煮ゴボウの春菊味噌春巻き——京都『月夜にコメと酒』
撮影/竹中稔彦
「鯖味噌」から着想を得て、鯖とゴボウ、味噌を組み合わせた春巻き。香ばしく焼いた塩鯖と、柔らかく煮含めたゴボウ、そして春菊味噌を春巻きの皮で包み、カリッと揚げて仕上げる。
春菊味噌は、白味噌をベースに下茹でした春菊をたっぷりと混ぜ合わせたもの。春菊の爽やかな香りとほろ苦さが加わり、味を引き締める。春巻きのほか、豆腐やコンニャク、魚に塗って焼いたり、野菜のディップソースとしても楽しめる万能味噌だ。
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伊勢海老の柚子味噌煮——京都『瓢亭』
撮影/内藤貞保
柚子味噌といえば、白味噌の炊き味噌に柚子の搾り汁や皮を合わせて煉り上げるのが一般的。しかし教わったのは、針打ちした柚子を丸ごと炊き味噌に漬け込むという独自の調理法だ。これによって果汁や香りがじわじわと味噌に合わさり、やわらかな酸味と芳香をまとった、まろやかな柚子味噌ができる。
合わせるのは、干し野菜からとっただし。サッと火を入れた伊勢海老とあらかじめ蒸し煮にしておいた海老芋を合わせ、仕上げに柚子皮を添えたら完成。柚子の香りがふわりと立ちのぼる、品のある一品だ。
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