「瓢亭」野菜料理のデザイン

【レシピ付き】柚子(ユズ) Vol.1 見た目も味わいも華やかな「伊勢海老の柚子味噌煮」

今回のテーマは、冬の日本料理に欠かせない柚子です。吸い口にして香りを添えたり、果汁で酸味を加えたりするのが一般的ですが、今回、『瓢亭』15代当主・髙橋義弘さんにお教えいただいたのは「柚子味噌」を使った2品。それも、針打ちした柚子に炊き味噌を纏わせておくだけの簡単な作り方。Vol.1では1月らしく、伊勢海老と海老芋を合わせた、縁起のいい煮物をご紹介します。


髙橋義弘:創業450年を超える老舗料亭『瓢亭』の15代目当主。1974年、14代目髙橋英一氏の長男として京都に生まれる。東京の大学を卒業後、金沢の日本料理店『つる幸』で修業を積み、1999年帰洛。海外のシェフたちとのコラボレーションなど国内外を問わず、京都の懐石料理を伝える活動に尽力。2015年、15代目に就任し、2018年に東京店を出店。老舗の味を守りながら、時代に即した現代的な日本料理にも取り組み、新しい美味しさの提案を続けている。

文:西村晶子 / 撮影:内藤貞保

目次


柚子を丸ごと炊き味噌に漬け込んだ「柚子味噌」を料理に展開

柚子

柚子は一年中使いますが、一番よく使うのが12月から2月にかけて出回る黄柚子ですね。産地は決めていなくて、京都の水尾や高知のものなど、大きさが揃った箱詰めを仕入れています。
3月も手に入るのですが、表面がきれいでなくなったり、実と皮の間にすき間ができたりするので刻んだ皮を活用して「柚子オイル」に加工しています。
それ以降は青柚子になるので、実柚子をスライスしたり皮をすりおろしたり。6月には花柚子をお椀の吸い口にするなどして、季節ごとの使い方をしています。

黄柚子は果汁や皮を使うのはもちろん、色や形を生かして柚子釜にするなど、使い方は色々。
今回ご紹介する料理は、2品とも「柚子味噌」を使ったものです。通常、柚子味噌というと白味噌の炊き味噌に柚子の搾り汁と皮を合わせて煉り上げますが、今回お伝えするのは、針打ちした柚子を丸ごと炊き味噌に漬け込んだもの。果汁や香りがじわじわ味噌に合わさり、まろやかな風味の柚子味噌ができるんです。

柚子と炊き味噌の分量が大事で、色々試した結果、柚子1個(約120g)に対して炊き味噌200gがいいバランス。それを真空にして3日間置いておきます。
白味噌で包んでも良さそうですが、柚子の水分で水っぽくなってしまいますし、炊き味噌の方がいい塩梅に味が決まるので使いやすく、色々な料理に展開できるんです。


伊勢海老の柚子味噌煮——丸い酸味と香りが広がる、奥深い味わいの煮物

料理/伊勢海老 海老芋 柚子 器/達磨椀料理/伊勢海老 海老芋 柚子 器/達磨椀

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