富山『御料理 ふじ居』4月の献立の立て方【後編】各献立の狙いと料理内容
「お椀の中で、お花見を楽しんでください」と供された煮物椀。富山『御料理 ふじ居』の4月のテーマは“桜”とあって、随所に目で、舌で楽しませます。店主・藤井寛徳さんが大切にしているのは、「〇月を堪能したな」と、しみじみ感じてもらうこと。そのための工夫が、先付からデザートにまで施されています。今回は、それぞれの献立の狙いと、4月の料理内容についてご紹介します。
藤井寛徳さん:1976年、富山市婦中町生まれ。東京の調理師学校を卒業した後、石川・金沢の料亭『銭屋』で5年、京都・祇園の『味舌(ました)』で6年修業を積んだ後、富山『海老亭別館』で3年間料理長を務める。2011年、富山駅近くの五福にて『御料理 ふじ居』開店。2019年8月、更なる高みを目指し、江戸時代から港町として栄えた岩瀬地区に移転。レストランガイド「ミシュランガイド北陸2021」では二つ星を獲得、「ゴ・エ・ミヨ2022」で「明日のグランシェフ賞」を受賞。
食材の多彩なプレゼンテーション
丸々と肥えたブリやズワイガニを板前で鮮やかに捌いたり、山菜や筍など山の幸を披露したりと、『ふじ居』では舌だけでなく、目でも味わわせ、期待のボルテージを上げる。
春で面白いのは、ホタルイカだ。発光しているところを見るための木製ボックスを作ったのだ。
大工さんに作ってもらったという、光るホタルイカを見るためのボックス。高さや幅、形など、緻密に計算して作られた。3月からゴールデンウィークくらいまで、活けのホタルイカが揚がった時だけ使われる。
「活けのホタルイカは、刺激を与えると光ります。夜なら電気を消すだけでいいのですが、お昼のお客さまにも見ていただきたくて」。
その時、お客様に伝えるのが、漁師さんたちの手間と苦労あってこそ、活けのホタルイカが届くということ。船が2隻並走してゆっくりと定置網を上げ、ホタルイカが傷つかないよう、手に持ったタモで少しずつすくうという。温度管理した水槽に入れ、水深に近い暗さになるよう暗幕をかける。港に戻る間に何度か水を変えるなど、手間と苦労をかけたものが活けの状態で店に届くのだ。
ホタルイカをボックスに入れ、上の穴から覆うように覗くと、美しい青色に発光している姿を見ることができる。「ホタルイカの活けは、本当に美味しいです。味が全く違う。漁師さんたちの苦労とお気持ちがあってこそですので、そのことを少しでも感じてもらえたら嬉しいですね」。
それから厨房で目と口を取り、一枚皿に美しく整列させたものも披露。こちらも圧巻、壮観だ。

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