大阪料理会

【レシピ付き】<第120回>栗と、甘鯛と、元酢

2021.12.27
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連載:大阪料理会

大阪府下の料理人による勉強会「大阪料理会」は、2021年10月末で120回を迎えました。今回は、その様子と、3人の料理人が発表したレシピをご紹介。
一品目は、河内長野の『喜一』店長・北野博稔さんによる、美しい栗の盛合せです。テーマは、なんと渋皮。定番の渋皮煮を筆頭に、渋皮ペーストを使った松風や胡麻豆腐風のアレンジを披露し、会員の興味をそそりました。
法善寺横丁『浪速割烹 㐂川(きがわ)』チームとして計3品を提案したのは、店主の上野 修さんと、岩渕貴生さん。会員の質問が集中したのは、不飽和塩水を使った合わせ酢「元酢」の使い方。ヨーグルト、白飯と合わせた鮗(コノシロ)の早熟(はやな)れ寿司は必見です。

文:中本由美子 / 撮影:藤澤 了
北野博稔(ひろとし)さん(大阪・河内長野|日本料理『喜一』店長)

1983年生まれ。高校卒業後、兵庫県の料理屋で3年修業し、2005年、父が営む創業30余年の日本料理店『喜一』に入る。ワイン好きが高じて、ソムリエの資格を取得。日本料理とワインの相性を追求する若手として、大阪料理会でも一目置かれている。
『日本料理 喜一』●大阪府河内長野市本町11−30
http://www.kiichi1990nagano.com/

上野 修さん(右)、岩渕貴生さん(大阪・法善寺横丁|『浪速割烹 㐂川』)

岩渕さんは、大阪の老舗宴会場『太閤園 淀川邸』で割烹を担当していたが、閉店により、上野さんが二代目としてカウンターに立つ『浪速割烹 㐂川』へ。上野さんは、本会の運営委員も務める。今回は二人のタッグによる料理を発表した。
『浪速割烹 㐂川』●大阪市中央区道頓堀1–7–7
https://kc9j800.gorp.jp/

渋皮栗三種盛り、甘露栗の先吸い——北野博稔さん作

osa0009c渋皮栗三種盛り(栗渋皮煮/栗皮餡寄/栗皮松風)に、甘露栗の先吸いを添えて。

「むき栗にする際、大量に渋皮部分が残ります。栗は渋皮と実の間際が美味しいので、これを上手く活用できないか?と考えました」。試行錯誤の末、北野さんが考案したのは渋皮ペースト。渋皮部分を数回に分けて下茹でし、渋抜きをして柔らかくする。裏漉しすることで、特に剛(つよ)い渋スジの部分などを取り除くひと手間がポイント。この渋皮ペーストを使って、幾つかの料理を提案した。

「栗皮餡寄」は、渋皮ペーストに甘みを足して艶やかに練り上げ、なめらかな渋皮餡に。ドライ・マスカット(緑レーズン)と合わせて一口大に冷やし固めている。一晩置くと、「渋みが落ち着きます」と北野さん。

「フランス料理のパテは渋みともよく合うので、これをヒントにしました」と、渋皮ペーストを松風仕立てにも。鶏ミンチを合わせ、揚げ栗を食感のアクセントに加えている。

また、先吸いは、皮付きで下茹でしてからくり抜いた実をじっくり炊くことで、自然な甘みを生かしたすり流しに。椀種には、先の渋皮ペーストにだしと葛を合わせて練り上げ、「栗の香りとほんのりとした渋みを生かした」胡麻豆腐風に仕立てている。

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