大阪料理会

【レシピ付き】和食の可能性を広げる!? 夏の提案

2022.08.10
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連載:大阪料理会

「代替肉として海外でも話題の大豆ミートを、いかに和食に取り入れるか?」。7月末に開催された「大阪料理会」は、料理研究家・広里貴子さんの問題定義に、大いに盛り上がりました。吹田の『旬菜 山崎』店主・山崎浩史さんは、和食の香りのバリエーションを広げる食材として、一休寺納豆の独特な風味に注目。東大阪の『味彩旬香 菜ばな』の前田武徳さんは、「夏らしい焼物とは?」をテーマに、オリジナリティ溢れるスズキ料理を披露。いつもにも増して盛会となった124回の24回の模様を、レシピと共にご紹介します。

聞き書き:中本由美子 / 撮影:福本 旭
広里貴子さん(大阪・大正|『貴重』)

大阪市出身。ごちそうプロデューサー。辻調グループ校卒業後、同校の日本料理技術講師を9年間務め、2006年にkicho(有限会社貴重)設立。NHK連続テレビ小説の料理指導や、商品開発、料理講習など広く活躍している。Relationfish株式会社取締役兼務。
http://kicho-kicho.com/ 
https://www.relationfish.com/

山崎浩史さん(大阪・吹田|『旬菜 山崎』店主)

1968年、大阪生まれ。辻調理師専門学校を卒業後、大阪の老舗料亭『紬』『芝苑』などで修業。28歳で独立し、地元・吹田に『旬菜 山崎 佐井寺店』を開店。2009年、竹谷店もオープンする。五節句などの日本古来の季節感を大切にしながら、北摂の日本料理店らしい洗練された会席を仕立てる。
『旬菜 山崎 竹谷店』●吹田市竹谷町36-17
http://www.syunsaiyamasaki.com/

前田武徳さん(東大阪・小阪|『味彩旬香 菜ばな』店主)

1973年、東大阪市生まれ。高校卒業後、梅田の飲食店などを経て、『旬菜 山崎』で腕を磨く。父が営む豆腐料理店『龍鳳洞 石切(りゅうほうどう いしきり)』を手伝い、2011年に独立。穏やかなお人柄ながら勉強熱心で、大阪料理会ではベテラン会員に古い仕事などを積極的に習い、自身の料理に反映している。
『味彩旬香 菜ばな』●東大阪市小阪3-2-24 アーク八戸ノ里1F
http://nabana.hp4u.jp/

大豆肉と大阪夏野菜、山椒風味の酒粕掛け——広里貴子さん作

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「代替肉(大豆ミート)を和食に取り入れるなら」という提案です

代替肉とは肉のような風味・食感にした植物性の加工品のことで、代表格は大豆食品。大豆肉、大豆ミート、ソイミートなどと呼ばれて、欧米ではすっかり親しまれています。

コロナ禍が収まり、海外からのお客様が来日するようになると、その中にはベジタリアンやヴィーガンも少なくありません。また、日本人のお客様の中にも、健康上の理由から、肉類の摂取を控えている方もいらっしゃいます。そうした方々のニーズに応えるためにも、和食の中に大豆ミートを上手く取り入れなくてはならないと思います。そこで、今回は代替肉をテーマにしました。

まずは、会員の皆さんに、数種類の大豆ミートを試食していただこうと、ご用意しました。ここ数年で、フィレ、ミンチ、フレーク…と様々なタイプが発売され、ツナの代替となる商品もあります。食感も、クニュッとしたものから、そぼろっぽいものまで様々。

今回は、利休麩のような食感のフレークタイプ(ハード)を使い、8月はお盆月でもありますから精進料理として、なますを仕立ててみました。

大豆ミートを煮る時に砂糖ではなく甘酒を使ったのは、自然な甘みが欲しかったのと、味が絡みやすいから。発酵の複雑味も味に奥行きを与えてくれます。

仕上げに振りかけたのは、ピパーチ。私の地元(大阪市大正区)には沖縄出身者が多く、昔から馴染みがある島コショウです。柑橘のような風味で、夏らしい爽快さを添えました。
さらに、仕上げにかけたソースにも酒粕漬けにした実山椒を利かせています。

馬場なすは、泉州の貝塚市馬場地区で栽培されている水ナスの一種です。水分が豊富で、繊細で優しい風味を生かすため、昆布〆にしました。実はこの昆布、大阪で養殖されたもの。乾燥させてみたら、だしを取るのにはちょっと物足らなかったのですが、味はいい。そこで、昆布〆に使いました。毛馬胡瓜(けまきゅうり)のたて塩にもこの昆布を加えています。

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右は、発芽大豆を使ったツナタイプの植物ミート。手前から時計回りに、同じく発芽大豆ミートのフレークタイプ、フィレタイプ、利休麩で、いずれも試食用に広里さんが幽庵地で味付けしている。

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左から、発芽大豆を使ったツナタイプの植物ミート、発芽大豆ミートのフレークタイプ(左がハード、右はソフト)。手前は、フィレタイプの「大豆のお肉」。

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大豆ミートを試食した会員からは、「肉の代わりではなく、新たな大豆商品として捉えた方がいいのでは?」という意見が多々。「今回の料理名も大豆肉ではなく、大豆そぼろ、とした方が魅力的だった」との声も。利休麩や高野豆腐のような存在として、可能性を見出した会員が多かったようだ。

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