【レシピ付き】新しい鱧料理vol.1皮目から骨切り!? 仰天の「鱧の唐揚げ」
梅雨が明けると、大阪はいよいよ鱧の季節。「この時季の鱧は落とし(湯引き)にするのが定番ですが、もっとジューシーに火入れする方法はないか?と試行錯誤して、三枚におろさず骨切りする方法に辿り着きました」と、西天満で串揚げを看板に『キュイジーヌ・ド・オオサカ リョウ』を営む畑島 亮さん。「魚は骨周りの身が美味しいので」と、なんと中骨を付けたまま皮目から骨切りして、唐揚げに。試食した会員が目を瞠(みは)った、驚くほどジューシーな新作揚げ物のレシピをご紹介します。
※大阪料理会 公式サイトhttps://osakaryourikai.com/
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畑島 亮さん(大阪・西天満|『キュイジーヌ・ド・オオサカ・リョウ』)
1976年、大阪府生まれ。ミナミの料亭や北新地の割烹にて腕を磨き、フレンチ・イタリアンの料理人との交流から、ソムリエ資格も取得。2010年に独立し、和食と串カツを看板に、ワインを楽しめる店をオープン。大阪の食材に軸足を置きつつ、和洋を行き来する柔軟な発想が持ち味で、そのアイデアは大阪料理会でも注目の的だ。
『キュイジーヌ・ド・オオサカ リョウ』畑島 亮さん作
鱧の唐揚げ 南瓜の赤紫蘇甘酢漬け
「鱧をもっとジューシーに仕上げたい」というのが、今回のテーマでした。もう、寝ても覚めても鱧のことばかり考える日々でした。ある時、ふと思ったのは、「チキンは身だけで揚げるより、骨付きの方がジューシーに仕上がる」ということ。
フグやオコゼの唐揚げって美味しいじゃないですか。あれも骨付きならでは、ですよね。魚も肉も骨周りの身の方が旨みが強いでしょう。そこで、中骨を付けたまま、鱧の骨切りができないか?と考えたんです。
中骨を付けたまま、皮目から骨切りする
まず、頭を落とし、ヒレを外して、腹から庖丁を入れて開き、内臓を取ります。腹骨をすき取ったら、皮目から骨切りをするのですが、頭の付け根あたりの中骨は三角形なんですね。ですから、真っすぐ庖丁を入れても中骨周りの骨が断ち切れないんです。
そこで、キッチンぺーパーなどを棒状に巻き、写真のように中骨の下あたりにかませます。三角形の一辺を平らにし、そこに垂直に庖丁を入れるイメージで骨切りをしていきます。
この料理に向く鱧は1㎏クラス。「ジューシーに仕上げたいので鱧は大きい方がいいですね」と畑島さん。
中骨の周りの小骨さえ断ち切ることができたらOKです。腹骨をすき取ったことで、端の方は骨が残っていないため、それほどナーバスに庖丁を入れる必要はないかなと思います。
下味は「淡口醤油で洗う」だけ
皮からの骨切りを両面やり、一口大に切ったら、「醤油洗い」して下味を付けます。
淡口醤油をかけて手で軽く絡め、ほんのり風味をまとわせるくらいにし、鱧の旨みをしっかりと感じていただきたいと思います。
あとは衣を付けて揚げるだけです。少しコクがほしかったので、ラードとヘット(牛脂)を1割加えた菜種油で揚げました。
コリンキーをシソ風味の甘酢漬けに
コリンキーは、生食できるカボチャとして改良されたものです。500gから1㎏くらいのサイズで、果肉の色が鮮やか。コリコリッとした歯触りが気に入っています。
暑い時期の揚げ物に添えるので、さっぱりと味わっていただけるよう、甘酢漬けにしました。ここに「もみしそ」を加えて、塩分と梅の香りを付けています。「もみしそ」は、赤シソを塩もみし、梅酢に漬けたものです。
コリンキーを梅紫蘇甘酢に漬ける時間は、完熟度によって異なります。今日は少し熟していたので3時間と短めに。未完熟のものなら6時間くらい漬けるといいと思います。
「鱧は骨をいかに感じさせないか、を考えて調理するものだが、これはまさに逆転の発想。この旨みの濃さとジューシーさは、骨付きならでは!」と畑 耕一郎会長も大絶賛。三枚におろさず、皮目から骨切りする仕事に、多くの会員から質問が。ペーパータオルをかませる方法など、畑島さんは丁寧に解説していた。
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