和食を科学する料・理・理・科

タコのぬめりはお茶で取れる!?

タコの下処理として、欠かせないのがぬめり取り。その手法は昔からずっと塩でひたすら揉むというものでした。塩で揉むことのメリットは、ぬめりと共に生臭みも取れること。そして適度に身が締まること。「ですが…、タコに塩分も入ってしまう」とは、大阪・ミナミの割烹『旬鮮和楽さな井』店主の長内敬之さん。煮物や寄せ物など、だしを使う料理の場合は、その塩分を計算しなくてはならない。塩以外に、タコのぬめり取りに向く食材はないか?と探して注目したのは、なんとお茶。農学博士・川崎寛也先生の解説による、和食を科学する「料理理科」第3回目は、お茶によるタコのぬめり取りがテーマです。

文:中本由美子 / 撮影:香西ジュン
長内敬之さん(大阪・東心斎橋|割烹『旬鮮和楽さな井』/店主)

1964年、福井県生まれ。調理師専門学校を経て、京都や大阪の名店などで料理長を務めた師匠の下、新地の割烹『七生(ななお)』(現在は閉店)にて修業を始める。2005年、41歳で独立し、現在の場所で開業。基本に忠実で実直な仕事と、チャレンジングな発想で仕立てた割烹料理に定評がある。愛嬌たっぷりのユーモラスなカウンタートークも持ち味。

川崎寛也さん(農学博士)

1975年、兵庫県生まれ。京都大学大学院農学研究科にて伏木亨教授に師事し、「おいしさの科学」を研究。「味の素㈱」食品研究所上席研究員であり、「日本料理アカデミー」理事。「関西食文化研究会」での基調講演でも活躍している。専門は、調理科学、食品科学など。

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