きのこの人気レシピ10選|和食のプロに学ぶ、香りと旨みを生かすアイデア
舞茸、椎茸、シメジ、ナメコ、松茸、香茸など、香りや旨み、食感もさまざまなきのこ。揚げる、蒸す、炒める、炊くといった調理法によって、その持ち味は大きく変わります。今回はWATOBIで紹介してきたきのこ料理から、人気レシピ10品を厳選。京都『瓢亭』の茶碗蒸しをはじめ、春巻き、揚げ出し、炊き込みご飯、白和えなど、プロならではの技とアイデアをご紹介します。
※2024.09.24配信記事を更新
きのこの種類からレシピを探す
きのこは種類によって、香りや旨み、歯ざわり、水分量もさまざま。ここでは、使いたいきのこからレシピを探せるようにまとめました。
舞茸|ヒラキナメコの秋巻き/牛ヒレ 木の子春雨黒酢炒め/キノコの茶碗蒸し/蘇の白和え/サンマときのこの山椒オイル煮
椎茸|ヒラキナメコの秋巻き/裏白椎茸の揚げ出し/サンマときのこの山椒オイル煮
シメジ|ヒラキナメコの秋巻き/牛ヒレ 木の子春雨黒酢炒め/サンマときのこの山椒オイル煮
ナメコ|ヒラキナメコの秋巻き/キノコの茶碗蒸し
松茸|鱧松の飯蒸し/松茸の3種遊び揚げ
香茸|香茸のコロッケ 山椒ソース/鴨香茸ごはん
エリンギ|サンマときのこの山椒オイル煮
調理法からきのこレシピを探す
揚げ物から蒸し物、炒め物、ご飯ものまで、きのこは調理法によってもさまざまな表情を見せます。献立や用途に合わせて、こちらからどうぞ。
揚げる|ヒラキナメコの秋巻き/裏白椎茸の揚げ出し/松茸の3種遊び揚げ/香茸のコロッケ 山椒ソース
炒める|牛ヒレ 木の子春雨黒酢炒め
蒸す|キノコの茶碗蒸し
炊く・蒸す|鱧松の飯蒸し/鴨香茸ごはん
和える|蘇の白和え
オイル煮|サンマときのこの山椒オイル煮
ヒラキナメコの秋巻き——京都『乃し』
撮影/竹中稔彦
大ぶりで歯ごたえのあるヒラキナメコを主役に、舞茸、椎茸、シメジ、エノキ茸と、5種のキノコを合わせた“秋巻き”。春巻きの皮で包むことできのこから出る水分を逃さず、ナメコ特有の粘りを生かして、とろりとしたあんに仕上げます。
味付けには、エノキ茸を酒、みりん、濃口醤油で煮詰めた自家製なめ茸を使用。キノコの旨みをさらに重ねます。栗と銀杏を加えて秋らしさを演出し、柚子の皮と果汁をたっぷり使った甘さ控えめの柚子味噌を添えるのも、京都『乃し』店主・矢口守良さんならではのアイデアです。
▼ヒラキナメコの秋巻きのレシピの詳細はコチラ
裏白椎茸の揚げ出し——大阪『㐂川(きがわ)』創業者・上野修三氏
撮影/東谷幸一
朝採れの原木椎茸ならではの香りと食感を生かした、上野修三さんの「裏白椎茸の揚げ出し」。椎茸の笠裏に、木綿豆腐、山芋とろろ、卵白をすり合わせた豆腐真丈をたっぷり付け、みじん粉をまぶして揚げます。
ポイントは、椎茸にも豆腐真丈にも火を入れすぎないこと。170℃の油でさっと揚げることで、原木椎茸のフレッシュな香りとアワビを思わせるような弾力を残し、豆腐真丈はとろりとクリーミーに。さらに、干し椎茸の戻し汁を加えた揚げ出しを合わせ、椎茸の旨みを重ねます。
▼裏白椎茸の揚げ出しのレシピの詳細はコチラ
鱧松の飯蒸し——大阪『お料理 山田』

撮影/東谷幸一
鱧と松茸という秋の王道の組合せに、新たなアプローチを加えた飯蒸し。大阪『お料理 山田』店主・山田晃弘さんは、松茸を太白ゴマ油で炒め、少量のカツオ昆布だしと共に攪拌。油と乳化させた濃厚な“松茸のすり流し”に仕立てます。
もち米にも太白ゴマ油をまとわせ、鱧の頭と中骨から取っただしで旨みをプラス。蒸し上がりはリゾットのように米粒感を残し、食感に輪郭を出します。鱧の天ぷらをのせて松茸のすり流しをかけ、最後に振り柚子を。松茸の香りを油で膨らませるという発想に注目です。
▼鱧松の飯蒸しのレシピの詳細はコチラ
松茸の3種遊び揚げ——京都『松むろ』

撮影/東谷幸一
松茸は、傘の開き具合や部位によって香りや味わい、食感が変わるもの。その違いを生かし、3種類の揚げ物に仕立てたのが京都『松むろ』店主・松室治隆さんです。
香りの強い“つぼみ”の松茸は、スダチを挟んで少し厚めの衣で天ぷらに。大きく育った松茸の軸は、鱧を巻いて旨みを補い、もち粉をまとわせて香ばしく。そして肉厚な傘は、極細挽きのパン粉を付けてフライにし、あえてウスターソースで。松茸の状態を見極め、それぞれに適した調理法を選ぶプロの発想が光ります。
▼松茸の3種遊び揚げのレシピの詳細はコチラ
牛ヒレ 木の子春雨黒酢炒め——東京『銀座 小十』
撮影/大山裕平
シメジ、舞茸、平茸を春雨と共に炒め、炭火焼きの牛ヒレ肉を大胆に合わせた、東京『銀座 小十』店主・奥田 透さんの一品。キノコを添えることで、春雨炒めに秋らしさを演出します。
味の決め手は、黒酢3:濃口醤油2に、みりん少々を加えた合わせ酢。醤油とみりんだけの甘辛味よりも軽快に仕上げることで、まだ暑さの残る秋口にも食べやすい味わいに。赤・黄パプリカとピーマンで彩りとシャキシャキとした食感を添えるなど、親しみのある炒め物をご馳走に昇華する工夫も参考になります。
▼牛ヒレ 木の子春雨黒酢炒めのレシピの詳細はコチラ
キノコの茶碗蒸し——京都『瓢亭』
撮影/内藤貞保
舞茸、ハタケシメジ、ナメコ、ムキタケを合わせたきのこペーストを、卵白で作る茶碗蒸しに添えた京都『瓢亭』15代目当主・髙橋義弘さんの一品。複数のきのこを組み合わせることで、旨みと味わいに複雑さを出します。
ポイントは、きのこを塩麹に一晩漬けてから炒めること。太白ゴマ油を加えて香りを高め、トマトだしと白醤油でペースト状に仕上げます。玉味噌と共に茶碗蒸しに添えれば、秋から冬に似合うこっくりとした味わいに。このきのこペーストは焼いた魚や肉のソースにも使える、応用範囲の広いレシピです。
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香茸のコロッケ 山椒ソース——東京『麻布 和敬』
撮影/大山裕平
松茸以上ともいわれる強い香りを持つ天然キノコ・香茸。その香気を衣の中に閉じ込めた、東京『麻布 和敬』店主・竹村竜二さんの和風コロッケです。
蒸して裏漉ししたジャガイモに、カルピスバターで炒めた香茸と玉ネギをたっぷりと。バターはジャガイモと香茸をつなぐ程度に抑え、キノコの香りを主役にします。さらに牛スジ肉の旨みを移した山椒ソースを添えれば、コクがありながら後口は爽やか。香茸の個性を生かしながら、洋の技法を日本料理へ落とし込んだ一品です。
▼香茸のコロッケ 山椒ソースのレシピの詳細はコチラ
蘇の白和え——大阪『山海料理 仁志乃』
撮影/福本 旭
豆腐の代わりに使うのは、牛乳をじっくり煮詰めた“蘇になる手前”の状態。大阪・堺『山海料理 仁志乃』店主・西野保孝さんが考案した、舞茸、菊菜、柿、大徳寺麩を合わせる秋の白和えです。
舞茸は半日ほど干して風味を凝縮し、八方地に浸けて低温加熱。素材の旨みを生かすため、菊菜も茹でずに30秒だけ蒸します。牛乳の甘みと旨みを凝縮した和え衣には、あえて味付けをしないのもポイント。きのこをはじめ、具材それぞれの持ち味を丁寧に引き出す仕事が光ります。
▼蘇の白和えのレシピはコチラ
鴨香茸ごはん——東京『懐石 小室』

撮影/大山裕平
天然真鴨と、強い香りを持つ希少な香茸を土鍋で炊き込んだ、東京・神楽坂『懐石 小室』主人・小室光博さんの「鴨香茸ごはん」。脂ののった真鴨と香茸が生み出す、力強い香りの組合せを楽しむ一品です。
傷みやすい香茸は、食感と香りを保つため、さっと蒸してから冷凍保存。鴨胸肉は皮目をこんがり焼いて香ばしさを加え、香茸よりやや大きめの角切りにします。具材から十分な旨みが出るため、味付けは日本酒と薄口醤油のみ。ご飯をやや硬めに炊き上げることで、香茸と鴨の食感を引き立てます。
▼鴨香茸ごはんのレシピの詳細はコチラ
サンマときのこの山椒オイル煮——大阪『お料理 雨ニモマケズ』
撮影/福本 旭
脂ののったサンマと、5種のきのこをそれぞれオイル煮にし、盛り合わせた秋らしい酒肴。大阪・西天満『お料理 雨ニモマケズ』店主・中田孝太郎さんが、作り置きでき、提供時の手間も抑えられる一品として考案しました。
サンマは筒切りにし、実山椒とともに米油で約2時間じっくり加熱。中骨まで柔らかく仕上げ、取り出したワタは酒、みりん、濃口醤油と煮て、まろやかなソースに仕立てます。一方、シメジや舞茸、椎茸、エリンギなどのきのこは、低温で乾燥させてから米油で香ばしく焼き、さらにオイル煮に。余分な水分を抜くことで、シャクシャクとした食感と凝縮した旨みを引き出します。サンマのしっとりとした身との食感の対比も楽しく、きのこの風味が移ったオイルまで活用できるのもポイントです。
▼サンマときのこの山椒オイル煮のレシピはコチラ
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