【レシピ付き】松花堂弁当 Vol.1-その心得と造り-
造りや焼き物、煮物、ご飯物など、多彩な料理を一箱に盛り込む松花堂弁当。その仕立てには、味や彩りはもちろん、盛り付けや提供する温度など、細やかな配慮が求められます。今回は全3回にわたり、「辻󠄀調理師専門学校」の岡本健二先生に、松花堂弁当を美しく、美味しく仕上げるための心得とレシピを教わります。Vol.1では、全体の構成や盛り付けの考え方とともに、戻りガツオ、紅葉ダイ、イカを使った「造り」3種のレシピをご紹介します。
撮影:東谷幸一 / 協力:辻󠄀調理師専門学校
松花堂弁当を仕立てる、その心得とは
約26㎝角の正方形の箱を十字に仕切り、その4つの枠にご飯や造り、焼き物、煮物などを盛り込む松花堂弁当。四季の食材を用い、五味五色を意識しながら、多彩な調理法を取り入れて仕立てます。
写真の弁当も、実に多くの料理とあしらいを組み合わせた、懐石料理を凝縮したような内容です。提供後すぐに召し上がっていただくものですから、温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態に。手数の多い料理もあるため、仕上がりの時間を逆算し、段取りよく進めていく必要があります。
4つの枠に何を配置するかも大切です。右利きの方の場合、左手前の枠にご飯、右手前には汁気のあるものを置くと、召し上がりやすいと思います。今回は、醤油をつける必要がある造りを右手前に盛り付けました。そして、品数の多い八寸を右奥、煮物を左奥に。煮物は、煮汁がこぼれたり、ほかの料理にかかったりしないよう、汁を張りすぎないことも大切です。
季節感も欠かせません。この時季なら、菊の葉や赤く色づいたモミジなどのかいしきを添えるのもいいですね。蓋を取った瞬間に、季節を感じていただけるように。ただし、十字の仕切りを越えるほど盛り込むのではなく、あくまで端正に仕上げる。それも松花堂弁当を美しく見せる心得の一つだと思います。
料理は、右手前の枠が造り。戻り鰹焼き霜造り、紅葉鯛松皮造り、烏賊そぎ造り、あしらい。右奥の枠が八寸。利久焼き、子芋田楽、きのこ菊花浸し、穴子博多蒸し、鶏笹身月環、海老東寺揚げ、銀杏松葉刺し、酢取り茗荷、丸十蜜煮。左奥の枠が炊き合わせ。蕪含め煮、鰊蒸し煮、菊菜、ニンジン、柚子。左手前の枠がご飯物。栗ご飯、かます棒寿司に、香の物を添えて。
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