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12月の献立に役立つ和食のアイデア|旬の食材レシピから人気店の献立づくり、器選びまで

冬の味覚が揃い、一年の締めくくりを迎える12月。香り豊かな黄柚子、甘みを増す大根、脂ののった寒ブリ、旨みたっぷりの牡蛎など、旬の食材をどう生かすか。冬至や年末の会食といった歳時やもてなしを、どう献立に織り込むか。今回は、人気店が提案する冬の食材レシピをはじめ、献立会議から試食会までの舞台裏、師走ならではの器選びなど、12月の献立づくりに役立つ記事を集めました。

文:WATOBI編集部 / 画像:土居麻紀子

目次


12月の献立に欠かせない「柚子」の料理

2026年の冬至は12月22日。柚子湯でもおなじみの黄柚子は、12月の日本料理に欠かせない食材です。吸い口や薬味として香りを添えるだけでなく、果汁の酸味、皮のほろ苦さ、柚子釜の姿を生かすなど、使い方は多彩。冬ならではの柚子料理を、酒肴から温かな先付、ご飯物、甘味までご紹介します。

柚餅子(ゆべし)と柚子皮をアクセントにした「柚餅子のポテトサラダ」——京都『むろまち加地』

『むろまち加地』の柚餅子(ゆべし)のポテトサラダ撮影/竹中稔彦

柚子を主役にした酒肴として、京都『むろまち加地』の加地貴志さんが考案したのは「柚餅子のポテトサラダ」。柚子に味噌などを詰めて蒸し、干して仕上げる伝統的な保存食・柚餅子を、店の名物であるポテトサラダに合わせます。

柚餅子はあえて大きめの角切りにし、ねっちりとした食感と熟成した味噌の風味を強調。さらに柚子果汁で味を引き締め、柚子皮の天ぷらでサクサクとした食感を添えます。柚子釜に盛り込む、見た目にも楽しい一品です。

▼柚餅子のポテトサラダ|詳しい作り方を見る


柚子釜ごと焼いて香りを立たせる「鱈白子柚子みそ焼」——大阪『さか本』の元大将・坂本靖彦さん

大阪『さか本』の鱈白子柚子みそ焼撮影/福本 旭

冬の味覚であるタラの白子を、柚子味噌と合わせた一品。大阪『さか本』の元大将・坂本靖彦さんが教える「鱈白子柚子みそ焼」は、柚子釜に白子を盛り、味噌をのせて焼き上げます。

味の決め手は、玉味噌に柚子皮だけでなく果汁も加えること。柚子釜ごと火を入れることで、柚子の香りをいっそう豊かに引き出します。冬らしい焼き物の仕事を動画で紹介します。

▼鱈白子柚子みそ焼|動画と材料・詳しい作り方を見る

百合根生地と白菜のすり流しを重ねた、「白甘鯛と百合根、白菜摺流し」——大阪『岡﨑』

大阪『岡﨑』の白甘鯛と百合根、白菜摺流し撮影/東谷幸一

寒い季節の先付に、温かさと意外性を。大阪『岡﨑』(掲載時は『翠 岡﨑』)の岡﨑直哉さんが考案したのは、柚子釜に白甘鯛、百合根の生地、白菜のすり流しを重ねた一品です。

厚みのある白甘鯛に、なめらかな百合根ととろみを付けた白菜のすり流しを合わせ、食感と味わいに変化をつけます。柚子釜の香りが全体を包み込み、冬の先付にふさわしい、ほっとする味わいに仕上げています。

▼白甘鯛と百合根、白菜摺流し|材料・詳しい作り方を見る

セコガニの旨みと柚子の香りを重ねた「セコガニの蒸し寿司」——大阪『高槻 天野』

大阪『高槻 天野』のセコガニの蒸し寿司撮影/東谷幸一

大阪『高槻 天野』の天野恵明さんが柚子釜に合わせるのは、冬の味覚・セコガニ。地元・高槻産の黄柚子を器に使い、蒸し寿司に仕立てます。

柚子の香りとカニの旨みが、湯気とともに立ち上る趣向。柚子釜を単なる器としてではなく、料理の香りや温度を印象づける要素として生かした一品です。

▼セコガニの蒸し寿司|材料・詳しい作り方を見る

潔いシンプルさが印象を残す「柚子釜の柚子飯」——東京『銀座 有涯』

東京『銀座 有涯』の「柚子釜の柚子飯」撮影/土居麻紀子

東京『銀座 有涯』の藤井亮悟さんが提案するのは、柚子釜に盛り込んだ温かなご飯物。自身が栽培に携わる米を使い、柚子果汁を利かせたご飯に、野菜や柚子皮の細切りを合わせます。

コースの最初の先付として供す、温かなご飯物。胃をならしつつ、そのシンプルさ故に強い印象を残す料理です。

▼柚子釜の柚子飯|材料・詳しい作り方を見る

柚子の酸味と苦味を生かした「柚子の葛湯」——京都『祇園 にしかわ』

京都『祇園 にしかわ』の「柚子の葛湯」撮影/ハリー中西

京都『祇園 にしかわ』の西川正芳さんが提案するのは、温かなデザート「柚子の葛湯」。柚子果汁をたっぷり加えた葛湯に、甘く煮た編笠柚子、本わらび粉で作るわらび餅、イチゴを合わせます。

編笠柚子は、皮を丁寧に下処理してから長時間かけて炊き、ほどよい苦味ともっちりした食感を残すのがポイント。葛湯はあえて緩めに仕立て、柚子の香りと酸味を際立たせます。焼き石を使い、湯気とともに柚子の香りを立たせる演出も必見です。

▼柚子の葛湯|詳しい作り方を見る


12月が旬の「大根」を生かす和食レシピ

冬に甘みを増し、煮物や蒸し物、あんかけなど幅広い料理に使える大根。だしを含ませてじっくり煮るだけでなく、揚げて香ばしさを加えたり、ほかの食材と組み合わせて新たな味わいを生み出したりと、料理人によって仕立て方はさまざまです。

大根の煮物・蒸し物・あんかけ・アレンジ料理10選

東京『有いち』の大根料理撮影/海老原俊之

大阪『さか本』の「丸大根風呂吹き」、京都『京夕け 善哉』の「聖護院大根の枡煮」、大阪『味菜』の「ハマグリ大根のクリームあんかけ」、京都『瓢亭』の「大根揚げ煮」など、人気店の大根料理をまとめて紹介。

煮含める、蒸す、揚げるといった調理法の違いはもちろん、味噌や酒粕、クリームなどの合わせ方にも注目です。冬の献立に欠かせない大根の可能性を広げる10品を集めました。

▼大根のレシピ10選|「煮物・蒸し物からプロのアレンジ料理まで」を読む


冬のご馳走「ブリ」の料理と、寒ブリの目利き

冬に脂がのり、刺身や焼き物、煮物などさまざまな料理で活躍するブリ。とりわけ寒ブリは、献立を彩るご馳走の一つです。柚子やカブとの組み合わせ、薪の香りを取り入れた仕立てに加え、産地での魚の扱い方にも目を向けてみましょう。

サクのまま霜降り&ヅケにする、「ブリの柚子醤油づけ」——東京『鮨 てる』

東京『鮨 てる』の「ブリの柚子醤油づけ」撮影/大山裕平

東京『鮨 てる』の宮崎智弘さんが提案するのは、脂ののった氷見のブリを使った「ブリの柚子醤油づけ」。

ブリは切り身にせず、サクのまま短時間霜降りにしてから、濃口醤油と柚子果汁を4対1で合わせたヅケ地に漬け込みます。クッキングペーパーに包んで漬けることで、形を保ちながら穏やかに味を含ませるのがポイント。

柚子の香りをほんのりと利かせ、和辛子や大根おろしを添えて供します。脂ののったブリを、後口の爽やかな酒肴に仕立てる工夫が光ります。

▼ブリの柚子醤油づけ|詳しい作り方を見る

カブとポン酢に施した一技にも注目!「能登寒ブリとカブの薪燻製ポン酢ジュレ」——石川『花紫』

fea2611i撮影/松田咲香

石川・山中温泉『花紫』の料理長・中村雅和さんが考案したのは、「能登寒ブリとカブの薪燻製ポン酢ジュレ」。

脂ののった寒ブリの腹身をさっとしゃぶしゃぶにし、薪の熾火でじっくり焼いたカブと合わせます。さらに、薪の香りを移した煮切り酒をポン酢と合わせてジュレに。寒ブリの旨みに、カブの甘みと薪の香りを重ねた一品です。

▼能登寒ブリとカブの薪燻製ポン酢ジュレ|材料・詳しい作り方を見る

天然能登寒ブリの美味しさを支える、船上での仕事【産地ルポ】

fea2611j撮影/松田咲香

同じ海を回遊するブリでも、水揚げ後の扱い方によって、その価値は大きく変わります。

石川・能登町鵜川の定置網「日の出大敷」では、網元の中田洋助さんが、船上での活け締めや血抜き、温度管理を徹底。2025年シーズンには新たな機材を導入し、水揚げしたブリを全量船上で活け締めする体制を整えました。

最高の状態で料理人に届けるため、漁の時間や輸送まで計算する。その仕事を追った産地ルポです。食材の目利きや仕入れについて考えるきっかけにもなります。

▼「“全量”船上活け締めする能登・鵜川『日の出大敷』の天然能登寒ぶり」を読む


冬の旨みを味わう「牡蛎」の和食レシピ

冬の献立に取り入れたい牡蛎は、味噌やバター、海苔など、旨みのある食材との相性も抜群。鍋物はもちろん、揚げ物や酒肴にも幅広く応用できます。

牡蛎の旨みを衣に閉じ込めた「蓮根牡蛎衣揚げ」——大阪『さか本』の元大将・坂本靖彦さん

大阪『さか本』の「蓮根牡蛎衣揚げ」撮影/福本 旭

坂本靖彦さんが考案した「蓮根牡蛎衣揚げ」は、刻んだ牡蛎を天ぷら衣に混ぜ込み、厚切りのレンコンにのせて揚げる一品です。

サクッとした衣とレンコンの歯触りに続き、牡蛎の香りが広がります。味付けをせず、素材の持ち味を引き出すシンプルな仕立て。揚げたてを供する酒肴としても参考になります。

▼蓮根牡蛎衣揚げ|動画と材料・詳しい作り方を見る

3種の具材で作る、「牡蛎ニラ玉小鍋」——京都『うまいもんや いっしょう』

京都『うまいもんや いっしょう』の「牡蛎ニラ玉小鍋」撮影/竹中稔彦

京都『うまいもんや いっしょう』の清水 学さんが考案したのは、牡蛎とニラ、キノコを合わせた一人前の小鍋料理。

牡蛎を煮すぎず、最後に落とす卵は半熟に仕上げるのがポイント。だしさえ用意しておけば、短時間で完成する手軽さも魅力です。温かな一品をすばやく供したい場面に役立つ、冬の小鍋料理です。

▼牡蛎ニラ玉小鍋|材料・詳しい作り方を見る

バターと海苔でコクと旨みを重ねた「牡蛎バター 海苔ソース」——東京『銀座 ごち惣家』

fea2611m撮影/公文美和

東京『銀座 ごち惣家』の布施知浩さんが披露するのは、「牡蛎バター 海苔ソース」。牡蛎をオリーブ油で焼き、ニンニクとバターを加えて、泡立ったバターを回しかけながら火を入れます。

仕上げには自家製の海苔の佃煮を使ったソースを。醤油に頼らず、牡蛎、バター、海苔の旨みを重ねて味わい深く仕上げます。

▼牡蛎バター 海苔ソース|材料・詳しい作り方を見る


人気店に学ぶ、12月の献立の立て方

旬の食材をどう組み合わせ、コース全体をどのように構成するか。人気店の12月の献立づくりにまつわる記事を紹介します。

京都『衹園さゝ木』に学ぶ、12月の献立ができるまで

寒い中訪れるお客に、温かな料理で心も体も温まってもらいたい。そんな思いから始まる『衹園さゝ木』の12月の献立づくり。

先付には雲子と白菜、前菜にはブリ大根、お椀には海老芋とフカヒレを合わせた白味噌仕立てなど、冬の食材を使ったさまざまな案が挙がります。さらに、店の冬の名物である蒸しガニやカニチャーハン、ウナギの柳川鍋、クリスマスを意識したデザートなどを検討。佐々木さんが重視するのは、一品一品の美味しさだけでなく、料理の順序や味わいの緩急、コースを食べ終えた時の満足感です。

献立会議で決まった料理は、試作を経て試食会へ。調理スタッフやサービススタッフが意見を交わしながら、味わいや盛り付け、提供のタイミングなどを確認します。

食材の選び方からコースの組み立て、料理を完成させるまで。人気店の献立づくりの舞台裏を、3本の記事でご紹介します。

▼12月の献立会議【前編】先付・前菜・お椀
▼12月の献立会議【後編】焼き物・鉢物・ご飯物・デザート
▼【動画】12月の試食会[2025]

東京『銀座 小十』の伊勢海老だし茶碗蒸しと熊・冬至うどん

『銀座 小十』では、師走の半ばまでは一年を締めくくる接待や会食が多く、後半ともなると年内最後の外食を愉しむお客さまが店を訪れます。だからこそ、「いつも以上に満足度の高い料理が求められる」と店主の奥田 透さん。
12月の献立は、食材もカニ、フグ、キンキ、牛ヒレ肉とご馳走尽くしです。そんななか、一年を締めくくるご馳走としての「伊勢海老だし茶碗蒸し」と、冬至の風習を取り入れた「熊・冬至うどん」をご紹介いただきました。

茶碗蒸しは、伊勢海老の頭から取っただしを卵地にもあんにも使い、アワビやフカヒレ、帆立貝などを合わせた豪華な仕立て。
一方の冬至うどんは、烏骨鶏のだしに熊肉を合わせ、ニンジン、レンコン、南京、ギンナンなど、「ん」の付く食材を盛り込みます。季節の意味を込めながら、年末らしい特別感を演出する2品です。

▼『銀座 小十』のエスプリ「一年を締めくくるご馳走尽くし——伊勢海老だし茶碗蒸し&熊・冬至うどん」を読む


12月の器選びは難しい?『梶 古美術』が教える師走のうつわ

「12月のうつわが一年で一番難しい」と語るのは、京都『梶 古美術』の梶 高明さん。

その理由は、日本料理の「季節の先取り」という美意識にあります。新春の意匠を先取りしにくい12月には、どのような器を選べばよいのでしょうか。

冬至の頃にふさわしい樂の「柚味噌皿」、クリスマスを意識したガラス器、温かな料理に向く筒向などを紹介。大根の文様に込められた家の繁栄への願いなど、器の意匠を読み解く面白さも学べます。

▼「師走のうつわ選びは難しい!?」を読む

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