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【レシピ付き】創意あるエビ料理 Vol.1 神奈川『光円』

横浜・関内(かんない)の『光円』は、『銀座 小十』の奥田 透氏のもとで長年研鑽を積んだ遠藤光宏さんが今年6月に満を持して開いた日本料理店です。修業時代を過ごした銀座、パリ、ニューヨークの三都で培った確かな腕は自由闊達。生真面目に熟練技で攻めるかと思いきや、洒脱な遊び心で魅せるなどお客を飽きさせません。今回の「三種の海老の白味噌仕立て」のヒントになったのは、ニューヨークで食べたシンガポール料理“ラクサ”。和食と見事に融合させたココナッツミルクやミントの使い方にも注目です。

文:瀬川 慧 / 撮影:公文美和

神奈川・横浜『光円』遠藤光宏さん作  
三種の海老の白味噌仕立て

「ニューヨークにいた時に、ココナッツ風味のスパイシーなシンガポールの麺料理“ラクサ”を食べて衝撃を受けたんです。エビの旨みが凝縮したスープに生のモヤシやミントをちぎり入れ、ライムを搾る。鮮烈な香りに驚かされました。そのインパクトを表現したいと思ったんです」と遠藤さん。

エビや焼き霜にした帆立貝柱、冬野菜、トマトなどをバランスよく盛り込んだ華やかな一品は、エビの頭と殻からとった濃厚なエビだしがまとめ役。ココナッツミルクと白味噌を加えることで、上品でまろやかな地となり、新たな感性の和食を創り上げる。
エビの風味や野菜の味が際立つように、熱すぎない、ほんのり温かい地に仕立てるのがコツだ。

3種のエビを3様の仕立てで

使うのは白エビ、車エビ、桜エビの3種類。白エビは一晩昆布〆にし、車エビは殻ごとボイルする。その車エビの頭と殻はあたり鉢に入れてすりこ木で潰して、水、日本酒、昆布と合わせて煮出し、濃厚なだしを作る。

「エビだしには旨みがたっぷり詰まっています。これをペーパーや目の細かい網で漉してしまっては、せっかくの旨みや油脂分が除かれてしまいます」。そのため、アクは丁寧に取り除くものの、口にざらつきが残らない程度の中粗目のザルでざっと漉す程度にしている。

桜エビは少量の油で香ばしく素揚げにする。その旨みが凝縮した油も無駄にしない。仕上げに数滴垂らし、香りを立たせると共に、見た目にもインパクトを生む。

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