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【レシピ付き】温まる一品 Vol.2 東京『浅草 ひら山』のそばがきと鴨の治部煮

観光客で賑わう東京・浅草界隈。路地の一角に、清楚な店構えの『浅草 ひら山』があります。主人の平山 周さんは、蕎麦の名店として知られる両国『江戸蕎麦 ほそ川』で修業後、日本料理店や割烹で腕を磨きました。目指すのは、“剥きたて、挽きたて、打ちたて”の十割蕎麦と、手をかけた日本料理の緩やかな融合。そんな平山さんが“冬の温かなつまみ”として考えたのが、そばがきと鴨の治部煮。熱々の餡の中でも映えるそばがき作りに注目です。

文:瀬川 慧 / 撮影:牧田健太郎

目次


東京『浅草 ひら山』平山 周さん作
そばがきと鴨の治部煮

治部煮とは、主に鴨などの鳥類を、麩や野菜などと一緒に甘辛く煮たもの。今回、平山さんが提案したのは、具の主役を“そばがき”にした、個性が光る一品。
「挽きたての蕎麦粉の風味を味わっていただきたいので、作る順序、オペレーションが大切。最初に鴨肉と餡を仕上げ、最後に揚げたそばがきを盛り合わせます」。

付合せの青味は、秋田の三関(みつせき)の根付きのセリ。程よい苦味がそばがきの味を引き立ててくれるという。

そばがきはやや少なめの水で練り上げ、揚げる

店で提供するそばがきは、やや柔らかめで、蕎麦粉1に対して水は約2倍量の割合。揚げる際のそばがきは、それよりもやや少なめの水で作る。一気に水を加えるとダマになったり、粉っぽさが残ったりするため、最初は2/3の量を加えて鍋縁に付いた蕎麦粉も残らず練り混ぜ、ある程度ペースト状になってから、残りの水を少しずつ加えて微調整する。

鍋を中~強火にかけ、ねっとりして艶が出てきたら、ちょうどいい頃合い。粘りが出すぎないよう短時間で火を入れ、熱いうちに丸めて表面に葛粉をはたいて揚げる。
「熱いうちにやらないと、そばがきの食感が変わってしまいます」。狙いは、ふわふわでありながら、弾力ある食感。揚げたて熱々のそばがきの香ばしさ、油のコクとだしの香りが混じり合ったおいしさは格別である。

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