【レシピ付き】ハマグリ以外の貝料理 Vol.1 京都『祇園 又吉』の春の貝寄せ
甘み濃厚な本ミル貝など3種の貝に、ニンジンや大根の細切りを合わせ、だし醤油をサッと絡めるだけ。京都『祇園 又吉』の又吉一友さんが考えたのは、春が旬の貝をひと皿に寄せた、優美な向付。各々の個性を際立てる、さりげない仕事が利いています。
文:川島美保 / 撮影:竹中稔彦
京都・祇園『祇園 又吉』店主・又吉一友さん作 春の貝寄せ
「実は貝類が大好きなんですよ」と微笑む、京都『祇園 又吉』の又吉一友さん。故郷・沖縄を離れて35年、祇園に店を構えて17年。飄々としながらも季節感を重んじる清廉な料理は、年を追うごとに柔らかに研ぎ澄まされている。
「ハマグリを使わない貝料理を」、というオーダーにも「それなら、一番好きな本ミル貝を使いましょう」と気負いがない。
持ち味異なる貝を寄せる
「本ミル貝は、白ミル貝とは風味が格段に違います。身に弾力があって甘みも一段と濃い。ちょうど真冬から4月頃までが一番身が肥えていて、漁獲量もピークですね。ただ、本ミル貝だけでは流石に少し味気ないのでいくつか他の貝も使います」。
かつての修業先、京都の料理旅館『炭屋旅館』で料理長を務めていた又吉さん。昼の茶事の料理で作っていた「貝寄せ」が今回の料理のベースだそうだ。
本ミル貝のお供に選んだのは、同じく今が旬の赤貝とホッキ貝。「赤貝ならではの強い磯のニュアンスと、軽く炙ったホッキ貝の甘みと香ばしさで味にメリハリを付けます」。
この記事は会員限定記事です。
残り:1795文字/全文:2378文字
続きを読むには
無料で30日間お試し※
- 会員限定記事1,000本以上、動画50本以上が見放題
- ブックマーク・コメント機能が使える
- 確かな知識と経験を持つ布陣が指南役
- 調理科学、食材、器など専門性の高い分野もカバー
決済情報のご登録が必要です。初回ご登録の方に限ります。無料期間後は¥990(税込)/月。いつでもキャンセルできます。
フォローして最新情報をチェック!