『神楽坂 石かわ』×現代作家

×池西 剛vol.2【一問一答】作陶に忖度(そんたく)なし、ひたすら“良いやきもの”を心がける

19歳の時、図書館で偶然目にしたやきものの写真に衝撃を受けたことが、この道に入るきかっけになったという池西 剛さん。縁あって愛媛県今治(いまばり)市に窯を開き、作陶生活は31年目に入りました。池西さんのうつわを10年以上使い続けている『神楽坂 石かわ』店主の石川秀樹さんは、「凝り性の人だと思う」と想像はしながらも、これまで言葉を交わしたことはなく、今回、初めて質問を投げかけることになりました。回答は、うつわの解説も含め、池西さんご本人による文章でお届けします。

文:池西 剛 / 撮影:綿貫淳弥 / 編集:伊東由美子

Q1:なぜ陶芸の道へ進まれたのでしょうか?

19歳の折、図書館で偶然目にした茶碗の写真を、それがやきものということも認識せず興味を持ちましたが、その書籍の背に「日本のやきもの」と書かれていたことから、試しに他の「やきもの」も見てみたところ、興味が深まったようです。

そのようなわけで、その後いろいろなやきものを可能な限り入手し、眺めたり使ってみたりを繰り返していました。そのうちに「なぜこのような形姿や焼き成りの質感となるのだろう?」という疑問を感じ、やきもの関連の本を調べたり陶磁器作者などに尋ねてみたりしましたが、いまひとつ肝心な部分が解明されませんでしたので、ならば自分で土を触ってみれば何か解るかもしれないと考えました。

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