箸休め WA・TO・BIこぼれ話

【動画あり】⼤阪・関⻄万博のパビリオン「EARTH MART」の内覧会が開催されました!

2025年4月13日から開催される⽇本国際博覧会(⼤阪・関⻄万博)。小山薫堂氏がプロデューサーを務めるシグネチャーパビリオン「EARTH MART」の内覧会が3月18日に開催、その全容が公開されました。コンセプトは「食を通じて、いのちを考える」。およそ20の展示を通して、地球にある有限の資源の大切さと、未来に向けてより良く食べるためのヒントを提示。その模様をレポートします!

文:WATOBI編集部

目次


「EARTH MART」とは

Osaka Metro中央線「夢洲駅」から徒歩すぐ。会場に入ると、各国のパビリオンが着々と準備を進めていました。

目当てのパビリオン「EARTH MART」の建築意匠監修は隈 研吾氏。全国5カ所の茅を使った茅葺屋根の建物です。茅は里山の暮らしにおいて、人の営みと自然との「循環」の象徴。万博終了後も、再利用が検討されているそうです。

右/「EARTH MART」プロデューサーの小山薫堂氏。放送作家、脚本家。京都芸術大学副学長。1964年熊本県生まれ。「料理の鉄人」「世界遺産」など多数のテレビ番組を手がけ、映画「おくりびと」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞。「Stand Alone/森麻季」や「ふるさと/嵐」の作詞も手がける。「くまモン」の生みの親でもある。執筆活動の他、地域・企業のアドバイザー、下鴨茶寮主人、大阪・関西万博では、テーマ事業プロデューサーを務める。

「EARTH MART」とは、⾷といのちの循環に触れ、未来へのヒントと出合う、空想のスーパーマーケット。伝統、⽂化、社会課題、テクノロジー……⾷の現在をニュートラルに⾒つめ直し、⾷べることの喜びと、私たちが次の時代にいのちをつむいでゆくヒントを探す旅に誘います。小山氏は「外に出て、普段使うスーパーマーケットに行った際にも、ここでの体験を思い出していただければ」とメッセージを送りました。

フロアは、「プロローグ」「いのちのフロア」「未来のフロア」「エピローグ」に分かれ、約20の展示が用意されています。「いのちのフロア」では、普段いただく食べ物を通じて他のいのちへの感謝が生まれるような仕掛けや展示を、「未来のフロア」では、未来に向けてより良く食べるためのヒントが散りばめられています。


「EARTH MART」の展示

展示は全部で約20。その一部をご紹介します。

【いのちのフロア】

<野菜のいのち>

長崎市雲仙市の岩﨑政利さんの野菜畑から生まれる、一年の営みを表現した展示。会期中の半年間、季節ごとの変化を楽しむこともできる。

<いのちのはかり>

はかりに食品サンプルをのせると、数字と共に、その食品にまつわる自然と人の営みの物語がアニメーションで表示される。コーヒーが作られるまでに使われる水の量や、稲1本からできるお米の粒数など。食品の背景に思いを馳せられる装置だ。

<いのちのカート>

ショッピングカートの巨大オブジェは、日本人が食べる10年分の食糧体積を表現したもの。日本人は約618㎏に対し、他の国はどうなのか? 差を感じるきっかけになる。

<世界のレシート>

「JICA」の協力により、各国で暮らす実在の家庭の1週間分の食糧をレポート。食文化を表し、先入観とは異なる現状を知ることもできる。

【未来のフロア】

<未来を見つめる鮨屋>

江戸前の鮨文化を代表する「すきやばし次郎」創業者・小野二郎氏。普段は天然の魚しか扱わないが、「伝統技術と最新技術の融合を象徴するコンセプト展示」として、品種改良や養殖技術によって育てられた魚を握るリアルな映像が流れる。

<進化する冷凍食>

さまざまな食材を凍結粉砕し、長期保存することのできるパウダーを展示。さらに、パウダーをベースにお米の形に再整形したり、料理に転用したりすることで、新しい価値を持つ食品の可能性を示唆している。

<みんなが幸せになる未来のお菓子>

子どもたちから「みんなが幸せになるお菓子」というテーマでアイデアを募集。その中から34作品をCGデザイナーの手によって再現・展示。お菓子は生きるために不可欠なものではないが、見ていると、人の夢や幸せが詰まった、「心の栄養」であることを感じられるはず。

<アースフーズ>

日本の食材、食品、食の知恵・技術の中から25を選定し、新しい視点から捉えた「パッケージ」、そして新しい食べ方を提案する「料理」を展示。料理は、東京『エスキス』リオネル・ベカ氏、東京『MAZ』サンティアゴ・フェルナンデス氏、「シーベジタブル」石坂秀威氏、東京『FARO』加藤峰子氏、新潟『里山十帖』桑木野恵子氏が担当。

小山氏は、「このパビリオンを通じて、『いただきます』の意味と価値を日本人にも、外国の方にも感じていただきたいです」と語りました。

「EARTH MART」に関わり、内覧会で登壇したのは、左より、フードコラムニストで「あまから⼿帖」編集顧問の⾨上武司氏、パティシエで「Toshi Yoroizuka」オーナーシェフの鎧塚俊彦氏、ソニーグループ株式会社の野元知⼦氏、⼭形⼤学 古川英光研究室 古川英光氏、「EARTH MART」総合プロデューサーの⼩⼭薫堂氏、学校法⼈⽠⽣⼭学園 京都芸術⼤学 有志学⽣3名、家畜写真家 Artist タキミアカリ氏、オーガニック直売所タネト運営 奥津爾氏。

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