富山で3軒のみとなった「おぼろ昆布」と「とろろ昆布」の手すき仕事
ここに3種の加工昆布が並ぶ。「黒とろろ昆布」「とろろ昆布(白とろろ)」「おぼろ昆布」、いずれも昆布を削った加工食品ですが、それぞれの違いを知る人は少ないのではないでしょうか。とろろ昆布とおぼろ昆布は何が違うのか、昆布王国・富山でソウルフードとして親しまれる「黒とろろ昆布」とは!? 今回は富山県高岡市『扇子(おおぎ)昆布商店』の当主・扇子忠之(おおぎただゆき)さんから、独自に発展した富山のとろろ昆布と、全国的に減少している昆布職人の後継問題についてお話を伺いました。
「おぼろ」と「とろろ」、そして白と黒の違いとは
「手すきのおぼろ昆布、とろろ昆布は、酢に漬けて柔らかくしてから削ります。酢の塩梅や、乾かし具合、削り方に職人の技量が現れます」と語る扇子忠之さんは、今では富山県内にわずか3名しかいない、おぼろ昆布を手で削ることができる職人の1人。
「父は3人兄弟の末っ子で、2番目の伯父が昆布の加工が盛んな大阪へ修業に行き、おぼろ昆布を学んで帰り、兄弟3人で昆布の加工業を始めました。今から80〜90年前は、まさにおぼろ昆布の全盛期。薄く削ったおぼろ昆布をお椀に入れ、醤油を数滴垂らしてお湯を注ぎ、即席の吸い物にしていたようです。手軽に旨みやだしが得られるおぼろ昆布、とろろ昆布が重宝されていました」。
左から順に「黒とろろ昆布」「白とろろ昆布」「おぼろ昆布」。
色合いや形状、風味が異なるので見分けることは比較的容易だが、その製法の違いについてはあまり知られていない。いずれも昆布を削った加工食品で、削り方で違いが生まれる。
「おぼろ昆布」や「とろろ昆布」の原料には、真昆布や利尻昆布、粘りが強いがごめ昆布が使われる。手すきおぼろ昆布の多くは最高級品といわれる北海道産の真昆布が用いられる。『扇子昆布商店』では、おぼろ昆布、とろろ昆布は共に青森県の白糠(しらぬか)産の真昆布を仕入れて削っている。
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