東京『江戸前 芝浜』8月の献立の立て方【後編】料理内容
江戸時代の料理をベースに献立を考案する『江戸前 芝浜』の海原 大(かいばら ひろし)さん。8月は、暑さで消耗しているであろうお客の体力の回復と、「夏の滋味」を味わってもらうことを念頭に献立を作るといいます。ひんやりとした温度感、みずみずしい口当たり、そして薬膳で「身体を冷やす」とされるトウガンなどの素材を効果的に使います。
海原 大さん:1979年東京都生まれ。イタリア料理店でのアルバイトで料理の面白さを知り、彼らの郷土を大事にする姿勢に感銘を受け、日本料理の道に入る。神奈川・葉山『日影茶屋』、東京・白金『心米』、同・代官山『米花』などで働く中で徐々に故郷である東京、江戸の料理への関心を強め、書物での独学や研究会への参加で学びを深める。2016年、同・芝に『太華』を開業。2021年、近所に移転し、店名も新たに『江戸前 芝浜』を掲げる。
とにかく暑い、東京の8月。日々疲れ気味のなか、食事を通してどう元気になってもらうかが重要なテーマだ。そこで活用するのが「夏の滋味」と、薬膳でいうところの「体が冷える食材」。特に一品目(座付き肴の後)は、滋味と涼性の両方が強く表れる品を持ってくる。
座付き肴 煮豆、江戸甘味噌
2つの豆皿に、味を付けていない煮大豆と江戸甘味噌を盛って提供。お腹を刺激するための小品で、通年でこの内容とする。
江戸甘味噌は、大豆と同量の米麴を用いて造られる伝統の味噌で、戦時中に製造が途絶えたものを『芝浜』と同じ芝エリアにある『日出味噌醸造元』が近年、復刻させた。「日出味噌さんは、江戸の味を追求する仲間です。イベントなどでもご一緒させていただいています」。
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