【レシピ付き】山芋豆腐——『山海料理 仁志乃』西野保孝さん作
5月末に開催された第134回目の「大阪料理会」は、“入梅の頃”がテーマ。堺市で『山海料理 仁志乃(にしの)』を営む西野保孝さんは、「この時季に食べたくなる、冷たくて口当たりのいい一品を」と、常連客にも好評の山芋豆腐を披露しました。牛乳を加えることで、後味まろやか、舌触りも滑らかに。ウニはトッピングせず、豆腐の中に入れ、濃厚さを際立たせています。キンと冷やして提供する清涼感ある仕立ての評判は上々でした。
※大阪料理会 公式サイトhttps://osakaryourikai.com/
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西野保孝さん(大阪・堺|『山海料理 仁志乃』店主)
1961年、大阪・堺生まれ。調理師専門学校を卒業後、土佐料理店での修業を経て地元に戻る。1991年、行基(ぎょうき)生誕の地として知られる家原寺門前にて、『山海料理 仁志乃』を創業。地の利を生かして泉州の海鮮を主に、会席料理から鍋、居酒屋風の一品まで幅広く提供。大阪料理会のムードメーカーながら、研究熱心な一面も覗かせる。
牛乳を使って舌触りなめらかに仕立て、ウニの濃厚さを際立たせました
“入梅の頃”というテーマは、料理を担当する3人の中で年長の僕が提案したんですけどネ。まず、思い浮かんだのが、ひんやりと喉ごしの良い料理でした。
今回ご紹介するのは、長芋のすりおろしと牛乳・だしなどを合わせ、寒天で固めた「山芋豆腐」。うちの定番の一品です。
牛乳を使うとまろやかさが加わって、舌触りもなめらかになります。だしに淡口醤油やみりんなどで当たりを付けたら、寒天を煮溶かしてから牛乳を加えます。沸騰させると分離するので、とろ火で加熱しながら混ぜ合わせていきます。
長芋は叩いたり、千切りしたりして使えば、シャリシャリとした歯ざわりが楽しめますが、すりおろして、まだ牛乳やだしが熱いうちに加えると、ほこっと柔らかくなるんです。この食感が面白い、と常連さんも気に入ってくれています。
店ではウニをトッピングしてお出ししていたのですが、ふと、中に入れてみたらどうかな?と思って。やってみると、ウニの風味がぎゅっと凝縮され、より濃厚さが楽しめました。山芋豆腐との一体感も出て、これはいいな、と(笑)。
ウニは生のままだと豆腐の中で溶けてダレてしまうので、酒をスプレーで軽く振りかけてから蒸しています。火を通すというより、表面をちょっと固めるイメージですね。
牛乳を使ったこの寄せ物は、いろんな食材と合わせることができます。例えば、長芋の代わりに子芋を使うと、よりまったりとした食感に。季節の魚の肝を加えても美味しいですよ。
「牛乳を使う発想が面白い」「硬さがちょうどよかった」と概ね好評で、西野さん(左)はニッコリ。「なぜ寒天?」という質問から、ゼラチンやアガーなどの使い分けについて会員がそれぞれ意見を出し、畑 耕一郎会長は「ゼリーは口どけがよくなるが、凝固力が弱い。アガーは弾力が出すぎる。今回は寒天が良かったのでは?」とまとめた。
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