【レシピ付き】板持海老芋揚げ出し 紅ズワイ蟹あんかけ&パープルスイートロードと栗とクリームチーズのきんつば——『天の川なかなか』岡本正樹さん作
大阪の料理人は、『乾(いぬい)農園』のある富田林(とんだばやし)市西板持(にしいたもち)地区の海老芋を、親しみを込めて板持海老芋と呼びます。枚方市の『天の川なかなか』岡本正樹さんは、スチコンを使って2段階の温度帯で柔らかく蒸して揚げ出しに。会員が興味津々だったこのスチコンによる火入れは、もう一品のパープルスイートロード(紫芋)の甘みを引き出すために考案したもの。クリームチーズと合わせた一品は自店でも評判で、これをきんつばにアレンジして発表しました。
※大阪料理会 公式サイトhttps://osakaryourikai.com/
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岡本正樹さん(大阪・枚方|『天の川なかなか』店主)
1961年、大阪生まれ。叔父の串揚げ店『串一』を引き継ぎ、開業。構想10年を経て、2004年、古民家を移築、再利用して『天の川なかなか』をオープンする。独学で磨いた和食の腕と発想を生かした、独創的なコースを提供し、評判に。自家菜園で野菜を育てたり、卓上の炊飯釜をデザインしたりと、フットワークが軽い。大阪料理会では、意想外の提案をするアイデアマンとして目されている。
海老芋をじっくり蒸して揚げ出しにし、アクセントに梨を使いました
『乾農園』の海老芋があまりにも立派だったので、できるだけ姿を生かした仕立てにしようと考えました。皮をむいて真空にし、スチコンに入れて70℃で90分、95℃で1時間蒸しています。
調べたら、芋類は60~70℃くらいの温度帯でじっくり加熱すると、β-アミラーゼが活性化して、甘みが増すそうです。ですが、その温度帯だけでは火が通らないので、95℃でさらに加熱して柔らかく蒸し上げました。
そのままの風味を味わっていただこうと、だしなどで煮たりせず、浮き粉を付けて揚げています。うちの濃縮だしをベースに、カニ身を入れたあんで味わっていただきます。
このあんには幸水という梨の果汁を加え、さらに、すりおろした梨を天盛りにしています。最近、梨を使うのがマイブームで(笑)。北海道の仙鳳趾(せんぽうし)の牡蛎と合わせると美味しいんですよ。酢〆したサンマにも合う。それで、ちょっとアクセントに加えました。
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