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【レシピ付き】イタリア料理人に習う、発酵調味料の使い方 Vol.1コラトゥーラ(魚醤)編

ワインを嗜むお客が増える中、日本酒だけでなくワインにも寄り添う一品を模索中という、大阪・大淀の日本料理店『浪速割烹 昇(のぼる)』店主の落合 昇さん。そんな中で着目したのが、海外の魚醤(ぎょしょう)やアンチョビといった発酵調味料や発酵食品でした。今回訪れたのは、大阪・福島の鮮魚イタリアン『ラ・ルッチョラ』。店主・鈴木浩治さんに、魚醤とアンチョビ、それぞれの使い方を教えていただきます。

文:川島美保 / 撮影:香西ジュン 
鈴木浩治さん(イタリア料理『ラ・ルッチョラ』店主)

1974年滋賀生まれ。高校卒業後にスイスやイタリアなどヨーロッパのレストランや、大阪のイタリア料理店『コロッセオ』などで修業。その後、大阪中央卸売市場の鮮魚店『文亀』で魚の目利きや扱いを学び、2005年に独立。素材の良さをシンプルに引き立てる鮮魚トラットリアとして、たちまち話題になる。2019年に同じ福島区内で移転。築70年の長屋を改築した趣のある空間を舞台に、ますます冴える腕前を惜しみなく披露している。慣例にとらわれず、試行を重ねて独自の手法を築くタイプ。

落合 昇さん(日本料理『浪速割烹 昇』店主)

1976年広島生まれ。高校卒業後に徳島の仕出し店に身を置いた後、大阪・心斎橋『懐石料理 桝田』で9年、法善寺横丁『浪速割烹 㐂川』で5年半修業。2016年に40歳で独立。造りには始末の心を宿した昆布醤油を使い、コース中盤に供する美麗な八寸は、なます大根で巻いた鯖の柚子寿司やスッポンの煮こごりなどを盛り込んだ呑ませる内容。名店で学んだ技術や精神を大切にした、華があって凛とした味わいの料理を提供している。

発酵調味料の魚醤で、ワインを呼ぶ味わいに

落合 昇(以下:落合)
ワインに合う献立を考えた時にふと思い浮かんだのが、発酵食品や発酵調味料を使ったアプローチでした。まずはアンチョビを使って試作してみたけれど、どうも上手くいかず、お力を借りた次第です。
鈴木浩治(以下:鈴木)
ワインも発酵食品の一つ。同じ発酵食品を味の繋ぎ役に選ぶこと自体は間違っていません。ただし、その使い方にちょっとしたコツがあるんです。それを踏まえて調理しないと、独特の臭みが立って失敗してしまいます。
落合:
まさにそれです! どうしても生臭さが消えなくて…。
鈴木:
今回は和食でも応用がしやすいであろう、魚醤とアンチョビの使い方をお伝えします。ヒントになれば幸いです。
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