


バックグラウンドと重なる、庖丁への想い
祇園にありながらも、地元密着型スーパーや飲食店が並ぶ、下町風情豊かな一画に建つ町家が『真刀』の店舗兼工房。通りに面した位置に作業場があり、主である谷岡真次さんが一心に刃物を研ぐ様子が眺められる。
職人の街・京都でも、刃物屋が新規開業することは滅多にない。大志を抱いて修業を積み、一念発起されたのだろうと思いきや「大した理由はなくて…」と呟く谷岡さん。その祖母は、料理研究家の首藤夏世(しゅとうなつよ)氏。京都の家庭の味を伝える料理教室を開くと同時に、多くの著書も出版するなどの活躍をされた先駆け的存在で、その娘である谷岡さんの母も料理上手だった。「だから、ウチには料理道具がたくさんあって、それらを大事にする気風があった。それでこの道に進もうかなと思ったんです」。
修業に入ったのは、祖母が通っていた室町時代創業の老舗。多くの一流料理人に愛される多種多彩な庖丁をはじめ、鍋、大小の調理道具を扱う同店で谷岡さんは一通りの仕事を覚えた。庖丁専門店の開業を考えるようになったのは、15年にわたる修業期間の終盤から芽生えてきた「自分だったらこう研ぐ」、「こんな庖丁を扱ってみたい」といった想い。老舗で経験を重ねるうち、その虜になっていた谷岡さんは、自身のホームタウンである祇園で専門店を立ち上げた。
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