【レシピ付き】石川『一本杉 川嶋』流「能登とり貝」が生きる3品
石川県七尾市の日本料理店『一本杉 川嶋』の店主・川嶋 亨(とおる)さんは、関西の名店で腕を磨き、故郷の能登半島・七尾へ戻って開業。能登を中心に足繁く産地を訪れ、生産者の想いと素材の力を日々、実感していると話します。その里山里海の幸を確かな技と感性で仕立てた滋味深い料理を目当てに、全国のお客が集まってきます。
「能登とり貝」も、その特徴を熟知する食材の一つ。肉厚で柔らか、噛むと溢れ出す甘みと旨みを生かした一品をコースに組み込みます。生産者・山本吉昌さんの取材後、その下処理から、トリガイの状態によって変える仕立てまでを教えていただきました。
下処理は、繊細さとスピードが勝負
「能登とり貝」の入手については、「人の手と里海が育む、石川・七尾湾の能登とり貝」で紹介している石川県水産部水産課が問い合わせ窓口。
能登とり貝、中でも最高等級の“プレミアム”を日本中の誰よりも良い状態で料理しています」という川嶋さん。「能登とり貝」が市場へ出回るのは5月から7月上旬。この期間、『一本杉 川嶋』では初夏の花形食材として、コースに必ずと言っていいほど盛り込まれる。
七尾湾の4つの港で養殖される「能登とり貝」は、石川県漁業協同組合に集積され、豊洲市場を中心に石川県内、関西などへ一元出荷される。デリケートで鮮度が肝要なため、出荷の際には酸素を供給した冷海水に生きたまま浸ける。『一本杉 川嶋』では仕入れた後もエアレーションを付け、海水の塩分と10℃以下の水温を保つため、容器に入れた水を凍らせ、保冷剤として使っている。
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