和食のいろは

【レシピ付き】『味菜』の割烹料理 初夏の魚介編

旬の食材をテーマに、割烹『味菜(あじさい)』の店主・坂本 晋さんに和食の基本調理を学ぶ新連載が2本同時スタート。【魚介編】では、5・6月の旬魚をテーマに、6品の料理をレシピと共にご紹介します。大阪・北新地で30余年、食通を唸らせてきた坂本さんの料理は、素材の持ち味を際立たせるシンプルな仕立て。昔ながらの仕事や老練な技には、一つ一つ明確な理由があります。


坂本 晋(さかもと すすむ):岐阜県高山市出身。18歳から下呂温泉『吉泉館』で修業し、大阪・北新地の料亭『神田川』へ。割烹『味菜』を開店し、30余年が経つ。淀川や大阪湾の地魚に注力しながらも、全国各地から産地直送で旬の食材を取り寄せ、割烹料理に仕立てる。

文:中本由美子 / 撮影:東谷幸一

「鮎の塩焼き」の化粧塩は薄めに

鮎の塩焼き

鮎の塩焼きは、ムラなく焼き上げることが大事だと思います。ですので、うちではあえて軽くうねらせるように細い串(鮎串)を打ちます。頭を低い位置にして、焼いて流れ出た脂が頭に集まるようにし、表四分(しぶ)、裏五分(ごぶ)と焼き、最後に表を一分(いちぶ)という昔ながらの割合で焼き上げます。

ヒレの化粧塩は、極薄くしています。昔は、尾と胸ビレを外して残しておき、これをアテにちびちび日本酒を飲む、というお客様がよくいらっしゃったものです。この時、化粧塩をしすぎていると、塩辛くてアテにならないでしょう。

タデは塩を少し加えてすり潰すと、緑色が鮮やかになります。ここにご飯粒をすり合わせると、酢と分離せずきれいに混ざり合うんですよ。これも古き良きやり方ですね。

【作り方】
①    鮎に細い串を打つ。尾と胸ビレにごく軽く化粧塩をし、全体に薄く塩を振る。
②    強火の遠火で、表4割→裏5割→表1割の割合で、順に焼き上げる。
③    器に盛り、タデ酢を添える。
タデ酢:すり鉢にタデと塩を少し加え、しっかりとする。ご飯粒を少し加え、すり合わせたら裏漉しする。米酢・塩・昆布だしで調味する。

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