日本酒の甘口・辛口とは。関西の酒蔵に聞いた「“辛口”って、どんな味?」
日本酒の味わいを表す、甘口や辛口ということば。一般的に、日本酒ビンの裏ラベルなどに記載されることがある「日本酒度」の数値が目安になると言います。しかし、実際に飲んでみると「これ、辛口なはずなのに、甘い!」ということも。そこで、関西の10蔵に、「辛口って、どんな味ですか?」と聞いてみました。
※「あまから手帖」2020年2月号より転載
日本酒の甘口・辛口とは
日本酒の甘口・辛口を知る目安として、「日本酒度」があります。日本酒ビンの裏ラベルなどに記載されていることがあるので、チェックしてみるといいでしょう。
日本酒度とは、日本酒の比重を表すもの。本来は酒造りの工程の中で、発酵具合を見極めるために使用されます。発酵時、酵母が糖を分解してアルコールに変えますが、糖は水より重く、アルコールは水より軽くなります。発酵が進む(=糖がアルコールに変わっていく)につれて、日本酒の比重は小さく(液体が軽く)なります。
「日本酒度計」を浮かべると、水と比重が同じ日本酒の場合、値はプラスマイナスゼロ(±0)に。水に対して比重が軽い場合は、日本酒度計が沈んでプラスの値に、糖分などが多く含まれて比重が重い場合は、日本酒度計が浮いてマイナスの値になります。
一般的に、0を基準として数値がプラスであるほど辛口、マイナスであるほど甘口であるとされます。そのため、飲み手が日本酒の甘口・辛口を知るための目安ともなるのです。
関西の酒蔵に「どんな日本酒が、辛口ですか?」と聞いてみた!
一般的には日本酒度で知ることができる甘口・辛口ですが、実際には「日本酒度が高いのに甘い!」ということもしばしば。そこには旨みや苦味、ガス感など、他の要素も絡んでくるのですが、そもそも、各酒蔵は「辛口」をどのように捉えているのか? 聞いてみると、意外や、その解答は十人十色でした。
奈良「篠峯」蔵元杜氏 堺 哲也さん
「日本酒度+10はないと、辛口とは言えないかな? 甘みがあって、キレ味がいい。そういう辛口の方が僕は好き」。
兵庫「播州一献」蔵元杜氏 壺阪雄一さん
「ズバリ、米の甘さを感じさせない酒。酸とのバランスを計り、残糖をしっかり切って、すっきりしたキレを作ることでドライ感を表現しています」。
奈良「みむろ杉」蔵元 今西将之さん
「『みむろ杉』唯一の辛口は、露葉風(つゆはかぜ)という奈良の酒米を使った特別純米。力強い酸によるシャープなキレが自慢です!」
兵庫「竹泉」蔵元 田治米博貴さん
「辛口=キレ。うちの『醇辛』は芳醇で後ギレがいい純米酒です」。
滋賀「北島」蔵元 北島輝人さん
「味に広がりがあるのに、後味が締まる。それが本当に旨い辛口です」。
滋賀「大治郎」蔵元杜氏 畑 大治郎さん
「辛口と謳えば売れると言われるけど、それってどうかな…と思い、うちではあえて辛口とは書かないのですが。スキッとしてキレのいい酒は、旨い辛口だと思います」。
大阪「秋鹿」蔵元杜氏 奥 裕明さん
「『秋鹿』の超辛口・大辛口の日本酒度は+15ですが、旨みと酸が立ってるので『全然辛くない』って言われる。そのギャップを狙ってるんですよ、実は」。
兵庫「仙介」杜氏 和氣卓司さん
「『イズミチャレンジ』として毎年、新たな試みをしていますが、30BYは超辛口に挑戦!+10(プラステン)と名付けて発売しました。僕の中で、辛口=スキッとしたキレ味と爽快感。次世代米『兵庫錦』の米の旨みもほのかに感じてもらえたら」。
滋賀「七本鎗」蔵元 冨田泰伸さん
「日本酒度+8の『七本鎗』もありますが、辛口では出さない。バシッと酸味が効いた、骨太な酒なんで、飲んでも『辛い』と思う人はいないだろうから(笑)」。
滋賀「萩乃露」蔵元 福井 毅さん
「『萩乃露』は超軟水で仕込むので、日本酒度+8でも優しい味になる。『こういう辛口もあるんですよ』という気持ちで出してます」。
▼「WA・TO・BI」では、日本酒のアテに作りたい「スピード酒肴レシピ」を随時更新。ぜひ、チェックしてみてください。
フォローして最新情報をチェック!
会員限定記事が
読み放題
月額990円(税込)初回30日間無料。
※決済情報のご登録が必要です
この連載の他の記事和食のいろは
月額990円(税込)初回30日間無料。
※決済情報のご登録が必要です