【動画レシピ付き】万能な八方酢を使った新ショウガ漬
気温が上がり始めると、品書きに欠かせなくなるのが酢の物。新ショウガに新レンコン、ミョウガなどの酢漬けが大活躍する季節です。そこで今回は、北新地の割烹『さか本』元大将の坂本靖彦さんが、いろんな料理に使える八方酢のレシピを大公開。6月7日に動画配信した「無花果田楽」にあしらった新ショウガ酢取りの作り方を特別に“おまけ”で配信します! 料理屋らしく木の葉型にした新ショウガ。その切り方も余すところなく動画でお届けします。
新ショウガの旬は?
今は年中、ショウガが出回っていますが、根ショウガの本来の旬は秋で、霜が降りると収穫ができなくなるそうです。
新ショウガは、その前に収穫されたものが主流。赤い茎の部分がついているのが特徴ですね。秋口からも新ショウガを見かけますが、これは根ショウガを収穫してすぐに出荷したものだそうです。
つまり、新ショウガには、早採りと、収穫したての2種類があるようですね。
新ショウガの食べ方は?
初夏から出回る新ショウガは柔らかく、辛みもほどよくて、みずみずしさが魅力です。大人の手ほどの大きな塊で売られていますが、その中でもとりわけ白い部分が最も柔らかいので、今回ご紹介する「新ショウガ酢取り」には、ここを使うといいですね。
料理屋らしく、木の葉型に切って使いますので、切れ端がたくさん出ます。その切れ端を粗くせん切りにして、炊き込みご飯にすると美味しいですよ。
赤シソを使わずに漬けた白梅干しの裏漉しを溶き入れ、塩で味付けした昆布だしで、洗い米と新ショウガを炊きます。こうすると、ショウガの辛味が和らぎます。もち米を1割程度加えるといいですね。
うちでは「梅ガツオ」を添えてお出ししていました。花ガツオを鍋で乾煎りし、手で揉んでからふるいにかけます。叩き梅干しを合わせて、濃口醤油をポトッと落とすと、まろやかになります。これが新ショウガご飯のいいアクセントになるんですよ。
少し硬い部分は、針切りにしたり、すりおろして使うといいですね。
針切りにした新ショウガは、牛タンの赤ワイン煮や鴨の鍬(くわ)焼きなど、ちょっと濃いめの煮物にたっぷり天盛りすると、夏らしい仕立てになります。
初夏から、八方酢は大活躍
うちの割烹では、新ショウガが出たら八方酢に漬けて常備していました。無花果田楽などの焼物のあしらいにしたり、棒寿司に添えたりと、何かと重宝しますよね。
うちの八方酢は、昆布が味の決め手です。調味料をすべて鍋で合わせ、1時間ほどおいてから、じっくり昆布の旨みを引き出すように弱火にかけます。昆布を引き上げたらそのまま冷まして冷蔵庫へ。数カ月は持ちますから、仕込んでおけば、まさに四方八方、いろんな料理に使えますよ。
ミョウガ、谷中ショウガ、レンコン、カブラなどなど、甘酢漬け全般に使えます。たて塩に浸したセロリと新玉ネギを合わせて漬けると、和風ピクルスに。プチトマトを湯剥きして漬けてもいいですね。秋口になると、少し砂糖を増やして、柿とカブラを漬けると、秋の定番のなますになりますよ。
「新ショウガ酢取り」の作り方
<八方酢を作る>
① 米酢(千鳥酢)900㎖・水900㎖・砂糖450g・塩4g・昆布30gを鍋に合わせ、かき混ぜて1時間ほどおく。
② 弱火にかけ、じっくりと昆布の旨みを引き出す。
③ 沸騰する直前で火を止め、昆布を引き上げ、そのまま冷ます。
<新ショウガを木の葉型にむく>
④ 新ショウガは柔らかいところを選び、厚みを揃え、皮を剥く。
⑤ 両脇に7~8カ所切り込みを入れて、木の葉形にする。
<新ショウガを八方酢に漬ける>
⑥ ⑤を8㎜厚程度に切り、柔らかくなるまで茹でる。
⑦ 陸上げし、うちわで扇いで冷ます。
⑧ ③の八方酢に⑦を一晩ほど漬けておく。
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