仕込みで差がつく! スピード酒肴レシピ

【レシピ付き】丁寧な水切りで持ち味を凝縮! 大阪『酒や肴 よしむら』の白和え

注文後、和え衣と具材を手早く合わせて提供する和え物は、スピード酒肴の代表格。それだけに、下ごしらえがモノを言う料理です。『酒や肴 よしむら』店主・𠮷村康昌さんが作る白和えは、素材の味わいと食感が立った酒を呼ぶ一品。和え衣を作るタイミングや、具材の下処理など、ポイントとなる仕込み術をご紹介します。

文:阪口 香 / 撮影:東谷幸一

サラリーマン時代から居酒屋へ通い、飲み手としてのキャリアを積んだ𠮷村康昌さん。脱サラ後、自身が通いたくなるスタイルの店を開店。「作り込みすぎない料理と、料理に優しく添う日本酒」で、左党の心を掴んでいる。

品書きには、贔屓(ひいき)にする山形県庄内産の野菜を炭火で炙ったものや、熱燗でとろりと溶ける穴子の煮こごり、山椒入りの土佐酢にタコと秘伝豆を浸けた「たこまめ」など。素材を生かしたシンプルな仕立てのものが多い。

今回の白和えも、お客の注文後に和え衣と具材を合わせるだけのシンプルさ。なれど、仕込みの工夫で和え衣の豆腐やゴマの持ち味が凝縮。意外な素材の取合せに加え、それぞれの食感をきりっと立たせることで、呑ませる一品に仕上げている。

具材は原木椎茸×クセある青菜×酸味ある果物

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具材は3種。濃厚な和え衣に負けない、味わいや食感に特徴のあるものがいいという。

𠮷村さんが選ぶのは、旨みたっぷりの原木椎茸とクセのある青菜、そして酸味ある果物。「今の時季は春菊とラ・フランスを使います。独特な風味の春菊はアクセントになりますし、ラ・フランスのちょっとした酸味が入ると全体の味が締まります。合わせる日本酒の幅も広がりますし」。

青菜は春菊が理想的で、春ならホウレン草や小松菜も使う。果物はラ・フランスの旬が終わると同じ洋梨のル・レクチェを。他、リンゴ、キンカン、柿も相性がいいという。「果物は熟れたものより若いものを選びます。酸味が多いですし、食感もしっかりしていますから」。

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コメント
2
kaori 2023.02.23

Ojさま

コメントを頂戴しまして、ありがとうございます!
WA・TO・BI編集部です。

「奥能登の白菊 純米吟醸」は55℃の熱燗にするとキレイな甘みがより引き立ち、さらに、味がまろやかに。𠮷村さまのお言葉を借りると「華を咲かせた」状態です。そこから温度が下がっても美味しい状態が続く、ということでした。

白和えの和三盆由来の優しい甘みと寄り添い、美味しくいただくことができました。

Oj 2023.02.22

白和えと石川『白藤酒造店』の「奥能登の白菊 純米吟醸」。55℃の熱燗が合うと書かれていましたが,なぜ55℃なのですか?


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