日本料理のことば

【レシピ付き】子持ち鮎 甘露煮

甘露煮とは、主に淡水魚などを骨まで軟らかく火入れし、砂糖や醤油で照りが出るまで煮詰めた料理。地方の土産物屋や保存食としてもお馴染みですが、今回「辻󠄀調理師専門学校」岡本健二先生に教わったのは、料理屋の一品としても活躍する、子持ち鮎の持ち味が生きたもの。卵のホクホク感や、身のしっとり感が得も言われぬ美味しさです。

聞き書き:阪口 香 / 料理制作:「辻󠄀調理師専門学校」岡本健二
撮影:東谷幸一 / 協力:辻󠄀調理師専門学校

目次


骨は軟らかく、身はしっとりさせる調理

甘露煮は、鮎やアマゴなどの川魚、モロコやワカサギなどの湖魚、サツマイモや金柑など、幅広い食材の調理法として知られています。

今回選んだのは子持ち鮎。鮎は成長と共に骨も硬くなりますが、甘露煮にすることで、骨は軟らかく、身はしっとり、子のホクホク感も感じられます。大きさは18㎝くらいのものが最適です。

まずは生臭みを取って香ばしさを出すため素焼きし、骨まで軟らかくするため2時間蒸します。その間、15分おきに霧吹きで酒をかけることで身がしっとり仕上がります。
次は鍋で調味料を含ませていく工程。酒で10分、甘味料を加えて10分、醤油や実山椒を加えて10分。甘味料にはコクと甘みの主軸となる砂糖、上品な甘さと照りを出すみりん、同じく照りととろみを出す水あめの3種を使います。

冷まして一晩おいて味を馴染ませたら、たまり醤油を加え、照りが出るまで煮て完成です。

鮎の身にはしっかりと味がのり、噛むと子がホクホクと。全体の調和がとれた上品な味わいですので、ご飯のお供だけでなく、お酒のアテ、身をほぐして茹でた野菜や薬味と和えても、美味しく召し上がっていただけます。

▼「甘露」の言葉のはなしはコチラ

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