「かぶ」の人気レシピ
かぶは、昔から日本に自生していた在来種の野菜です。千枚漬の原料として知られる「聖護院かぶ」のように大型のものや、小~大サイズまで育てられる「ひかり蕪」、滋賀県名産の日野菜のように細長いものまで、大きさも形もさまざまです。今回は、これまでWA・TO・BIで掲載されたプロの手による人気レシピをピックアップ。聖護院かぶ、天王寺蕪、京かぶなど、いろんなかぶの特徴を活かした調理に注目です。
菊花カブの天ぷら 味噌塩——東京『てんぷら 近藤』
撮影/大山裕平
東京・銀座『てんぷら 近藤』の主人・近藤文夫さんは、魚介中心の江戸前天ぷらに野菜を取り入れた名人。そんな近藤さんも「初めて」と言う、天ぷらに不向きとされるカブで新作に挑戦していただいた。
カブは菊花切りにして薄衣で揚げ、外はパリッと、中はジューシーに。添えるのは“味噌塩”。 赤味噌に酒を加え、弱火でゆっくり煉り上げた後、塩を加えてさらに煉り、一晩冷蔵庫に入れて固めたものだ。
まろやかな味噌の深みが、滋味深いカブの天ぷらと好相性。美しさと後味の良さが際立つ一皿に仕上がった。
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甘鯛のかぶら汁——大阪『さか本』
撮影/福本 旭
日本一大きいと言われる「聖護院かぶ」や「天王寺蕪」など、持ち味の強いカブが向くというかぶら汁。すり下ろしたカブを吸地に加え、薄葛仕立てに。この時、カブを入れたらなるべく触らず、アクが浮いてくるまでじっくり待ち、繊維感のある部分も一緒に取り除くことで、なめらかな仕上がりになるという。
合わせるのは、「かぶら蒸し」でテッパンの相性と言われる甘鯛。水分が多い魚のため、しっかり塩をして身を締め、葛叩きにしてからさっと吸地で煮る。柔らかく、ほろほろっと崩れるような歯ざわりに仕上げるのがポイントだ。
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京かぶらの皮餡かけ——東京『銀座 矢部』(現在は『花園町 矢部』で営業)
撮影/公文美和
蓋を開けた瞬間に鼻をくすぐるカブの甘い香りが印象的。厚めに剥いて柔らかくなるまで蒸した京かぶらの皮を、丁寧に裏ごししてから二番だし、豆乳と合わせて葛を引き、まろやかでクリーミーな“皮あん”に仕立てる。
すっきりした味わいにするため、カブの実を炊くのも二番だしで。薄口醤油と塩のみで味を付け、煮上げた後に一度冷やしてしっかり味を含ませる。
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聖護院かぶの炊合せとかぶら蒸し——京都『瓢亭』
撮影/内藤貞保
炊合せはカブをそのまま炊くのではなく、まず蒸してから。それによってカブの味が抜けず、形が崩れにくくなるという。煮汁は八方だしに、カブの白い色を活かすため薄口醤油とみりん、塩で調味。鶉の吉野煮を合わせ、カブの味わいと呼応させる。
かぶら蒸しは、カブのおろし汁に一工夫。カブをすり下ろしたらおろし汁を鍋に取り、昆布と共に軽く煮詰めることでカブ独特のクセを取り、甘みや旨みをプラス。それをおろした実と合わせ、道明寺粉と卵白を加えてよく混ぜ合わせる。
甘鯛はしっとり仕上げるため、熱した太白ゴマ油をかける。ウニやユリネ、キクラゲなどと共に器に盛り、カブの生地をのせて蒸す。仕上げはマグロ昆布だしにカブの汁を合わせてとろみをつけたあん。心からほっこりできる一品の完成だ。
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天王寺蕪三部作——大阪『㐂川(きがわ)』創業者・上野修三氏
撮影/東谷幸一
日本最古の和種蕪と言われる「天王寺蕪」を使った3品を披露。
「皮こそ美味い」品種だけに、「柚子味噌焼」(上)では皮を剥かずに輪切りにし、隠し庖丁を入れたらサラダ油を塗って素焼きに。両面に柚子味噌を塗り、軽く焦げ目が付いたら完成だ。
「甘鯛かぶら蒸し」(下左)は、皮を麺状にして添え、シャキッとした食感をプラス。一品として一体感をもたせるため、甘鯛の焼き骨から取っただしを随所に使うのもポイント。
「天王寺蕪大阪漬」(下右)は、天王寺蕪の皮、切れ端、葉茎を刻み、塩を加えて30分ほど置き、さらに切り昆布を加えて一晩おいたもの。生食も美味しいカブだからこそできる浅漬けだ。
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