浪速割烹の“動く”料理

【動画レシピ付き】葉ゴボウは捨てるところなし! 葉の食べ方とは?

根が短く、茎は長く、葉は青々として大きい。春になると出回る「葉ゴボウ」という野菜をご存知でしょうか? 名産地は大阪の八尾。関西では「若ゴボウ」として親しまれています。シャキシャキと歯ざわりのよい茎を主に食べる野菜ですが、「根も葉も美味しく、捨てるところがありません!」と、北新地の割烹『さか本』の元大将・坂本靖彦さん。アクが強く、少し扱いづらい葉は、油炒めして当座煮にするのが美味しいそう。そこで、葉のアク抜きからの手順を、動画で丁寧に配信します!

文:中本由美子 / 撮影:福本 旭

目次

葉ゴボウってどんな野菜?

束ねた姿がまるで弓矢のようで、ゴボウとはいえ、根よりずっと茎の方が長い。この「葉ゴボウ」を、大阪では「若ゴボウ」「矢ゴボウ(ヤーゴンボ)」と呼んでいます。春の和食には欠かせない野菜ですね。

茎はシャキシャキとした食感で、みずみずしく、蕗(フキ)にも似た風味があります。根は短くて、ひげ根がたっぷり。食べるところは少ないですが、香りは抜群です。そして葉は、アクが最も強いところですが、早春らしいほろ苦さが楽しめます。

葉ゴボウの旬や産地は?

九州や四国も産地として知られていますが、名産地といえば大阪の八尾市。ルーツは福井県の越前白茎ゴボウと考えられています。これが明治時代に大阪に持ち込まれ、品種改良されて若ゴボウ(葉ゴボウ)となりました。今では「八尾若ごぼう」としてブランド化され、全国にその名がとどろいています。

新春から出回りますが、こちらの葉ゴボウはハウス栽培。柔らかくて、香りも穏やかです。3月頃になってようやく露地ものが出てきます。霜を受けて上部が枯れ、再び芽吹いた茎葉を根と共に収穫する昔ながらの栽培で、その風味の良さはやはり格別。これぞ早春の香りですね。

葉の下処理(アク抜き)は丁寧に

葉ゴボウのアクはそれほど強くはないですが、春らしい繊細な風味を邪魔しないよう、しっかりと抜いておいた方がいいですね。うちでは、藁灰(わらばい)を水に漬けておき、その上澄みを濾した灰汁で茹でてアクを抜きます。こうすると、緑色もより鮮やかになります。藁灰はネットで簡単に手に入りますから、このひと手間は惜しまずに!

茎や根に比べて、葉は少しアクが強いので、茹で時間も約1分とやや長め。意外と繊維が硬いので、少々茹ですぎても食感が失われることはないですよ。
茹で上げたら、すぐさま冷水に取って色止めを。そのまま30分ほど浸けて、しっかりとアクを抜いてください。

葉を美味しく食べるなら、当座煮

当座煮というのは、当分の間(=当座)食べられるような、ちょっと濃い味付けの煮物のこと。佃煮ほどではないですが、一種の保存食ですね。

ほろ苦い野菜は油と合わせると、えぐ味が抑えられます。山菜を天ぷらにするのも、そんな理由から。油があることで、独特の風味も際立つでしょう。
葉ゴボウの葉は茎や根よりもややアクが強いので、ゴマ油で炒めてから、醤油ダレを絡めます。

今回は葉ゴボウで作りましたが、大根の葉でも、蕗の葉でも美味しくできますね。蕗の葉を使う場合は、同じようにアク抜きをしっかりお願いします!

「若牛蒡の葉の当座煮」の作り方

(葉ゴボウの葉のアク抜きをする)

1500㎖の水に藁灰15g(約1/2カップ)を入れ、1時間以上漬ける。上澄みを濾して灰汁を作る。
葉ゴボウの葉を洗い、①で1分ほど湯がき、冷水に取る。そのまま30分ほど浸けておく。

(当座煮にする)

②をしっかりと絞り、水気を切る。1㎝長さに切る。
フライパンにゴマ油をひき、弱火で③をじっくりと炒めていく。
チリメンジャコを加え、水分がなくなるまで炒め合わせる。
醤油ダレを入れ、全体に行き渡るよう混ぜながら炒めていく。
煎りゴマを加え、混ぜ合わせる。

【醤油ダレの塩梅】
濃口醤油1:酒1:みりん1.2で合わせたもの。

➡葉ゴボウの茎と根のレシピも「浪速割烹の“動く”料理」で動画配信。
https://watobi.jp/naniwa-kappou/1824.html

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