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【レシピ付き】福島食材×京料理vol.2「すずき葛煮と焼茄子、湯葉の焚き合わせ」

福島県食材を応援する活動を続ける「日本料理アカデミー」が、去る9月11日に「ホテル椿山荘東京」で開催した食事会。京都の料亭の料理人が中心となって仕立てた懐石には、京料理ならではの美しい仕事や食材の持ち味を生かす工夫など、学ぶべきポイントが多々。その中から今回ご紹介するのは、焚き合わせのレシピ。福島沖で揚がるスズキを、しっとり煮上げる火入れにご注目を。


日本料理アカデミー:伝統ある日本の食文化の継承・発展を目的とし、京都を中心とした日本料理人とその関係者によって2004年に設立したNPO法人(特定非営利活動法人)。食育活動や世界の料理人との交流、若い日本料理人を対象とした研鑽事業などを実施している。

文:中本由美子 / 画像提供:日本料理アカデミー

目次


京都らしい端正な焚き合わせ

葛煮にしたスズキに、ナス、湯葉、インゲンを合わせ、ショウガの風味で。秋の焚き合わせなので、ナスは翡翠色にはせず、焼き色を生かしている。

ナスは、直火で皮が真っ黒になるまで香ばしく焼く。粗熱が取れたら皮を剥くが、だしと水を合わせた中で洗いながら剥くことで、きれいな仕上がりに。煮汁でさっと煮て、そのまま浸し、味を含ませている。

巻き湯葉は形を生かして煮浸しにし、インゲンは塩茹でにしてからお浸しにして緑鮮やかに。派手さはないが、それぞれの素材の滋味を生かす丁寧な仕事が施され、京料理らしい端正な焚き合わせに仕上がっている。

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スズキをしっとり煮上げるために

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福島の海は常磐(じょうばん)沖と呼ばれる。暖かい海流の黒潮と冷たい親潮がぶつかる海域では、一年を通して多彩な魚介が身を肥やし、“常磐もの”として流通している。

今回の焚き合わせの主役は、年中揚がるという“常磐もの”のスズキ。淡味でパサつきやすい白身魚なので、持ち味を深めて火入れする工夫が必要。そこで今回は、サクのまま塩を振って2~3時間おき、下味を付けつつ、身の保水性を高める。さらに、油霜をして油の旨みを加えると共に、表面をコーティング。葛を溶き入れた煮汁を58℃に保ち、約7分煮て、しっとりと煮上げている。

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