和食のいろは

鱧(はも)の骨切り、湯引きを京都『祇園 川上』に学ぶ

2022.07.12
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連載:和食のいろは

7月に京都で行われる祇園祭は「鱧祭」と呼ばれるだけあって、開催期間中、京都の料理屋ではたくさんの鱧料理が食べられます。『祇園 川上』でも、この間はコース8品に対して3品は提供すると、店主の加藤宏幸さんは言います。その中でも、特にお客に喜ばれるのが鱧料理の王道・湯引き(落とし)。調理の直前に行われる骨切りと、その調理について、加藤さんに教えていただきました。

文:阪口 香 / 撮影:ハリー中西

『祇園 川上』の鱧料理

『水口商店』の鱧が届いたら、すぐに水洗いをしてぬめりを取り、 捌きます(鱧の捌き方はコチラ )。
保管するのは、電源を入れていない状態の冷蔵庫。氷を入れ、8~10℃に保った空間で寝かせておきます。こうすると、庫内が乾燥しないので、身がしっとりとした状態を保てる上、死後硬直もゆるやかになります。

そして、お客さまが席に着かれ、コースが始まってから骨切りを施します。「シャリッ、シャリッ」という音を聞いて、みなさま「夏が来たなぁ」と改めて実感されますね。

料理は、至って王道でシンプルなものを好まれる方が多いので、一番人気は湯引き(落とし)。とは言っても、旨みを強く感じていただけるように、ウチは水に落とさず、温かい状態で提供します。

他、鱧の頭を焼いてだしをとった吸い物や、卵でとじる柳川仕立てなど。7月のコースは、8品中3品は鱧料理を提供します。焼き物も、鮎から鱧に。だしに醤油・酒・みりんを加えたタレをかけ焼きにし、焼き物として出します。鱧に脂がのってくると、特に美味しいんですよ。

注文があったら提供するのが鱧フライで、これも好評。パン粉をつけて揚げ、塩やウスターソース、辛子醤油で召し上がっていただきます。長年来られている祇園町の方がお好きな一品ですね。

鱧(はも)の骨切り

骨切りは「一寸(約3cm)に25本」なんて言葉がありますが、死後硬直が始まっている魚ならまだしも、『水口商店』の鱧は活け締めし、活かっている状態。なかなか難しいですよ。それでもなるべく細かく骨切りをしてますね。
皮1枚を残して身の部分だけを小幅に切っていきます。

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鱧(はも)の湯引き(落とし)

まず、鱧を一口大に切るのですが、「何cm」というように決めているのではなく、厚さや横幅によって調整します。

そして、湯引きするためのだしを用意します。一般的には熱湯で臭みをとるために湯引きをしますが、『水口商店』の鱧は臭みがないので、旨みを逃さないよう、カツオ昆布だしに塩を加えたもので湯引きをします。

だしが沸いているところに、皮目を下にして網じゃくしにのせた鱧を落とします。この時、皮目だけをだしに浸けるように。身が花咲くようにチリチリッとなったら、すべて鍋の中へ。金串のようなもので皮を刺し、スッと通り、身全体がくるん、となったら引き上げます。

iro6041_6049_6053_6059cだしは、利尻の昆布、枕崎産の血合いなしのカツオ節からとったものに、宮城県気仙沼産の伊達塩を加えたもの。

ザルに上げ、青柚子を振り、梅肉とワサビを添えて提供します。
先ほどもお伝えしたように、ウチでは氷水にとらず、温かい状態で。口に入れた時に旨みが増幅するよう、カウンターでできたてを「温かいうちにどうぞ」と言ってお出しします。

iro6099d梅肉は、紀州の梅干しと塩辛い梅干しを叩き合わせて裏濾しし、酒・みりん・刺身醤油を加えて1年寝かせたもの。「コレだけで酒が飲めますね。ワサビと少しずつ混ぜて、召し上がっていただきます」。

iro6113e加藤さんは、1968年生まれ。1986年に『祇園 川上』へ入社し、4年修業した後、「ホテルオークラ」へ。京都・三条の日本料理店『河しげ』にて経験を積んだ後、32歳の頃、再度『祇園 川上』へ。11年前より、二代目として店を取り仕切る。

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