和食のいろは

【レシピ付き】鱧の湯引き(落とし)を京都『祇園 川上』に学ぶ

湯引きとは、主に魚をさっと湯にくぐらせたり、熱湯をかけて、すぐに冷水や氷水で冷やす調理法のこと。魚の生臭さや余分な脂を落とす効果があります。「ウチでは、熱湯ではなくカツオ昆布だしを使って、温かい状態のまま提供します」とは、『祇園 川上』の加藤宏幸さん。その調理法について、詳しく教えていただきました。

文:阪口 香 / 撮影:ハリー中西
2022.07.12配信記事を更新

目次


鱧の湯引きにカツオ昆布だしを使うのが『祇園 川上』流

ウチが使う『水口商店』の鱧のように、そもそも臭みがほぼない鱧なら、臭みを取る目的での湯引きをしなくてもいいんです。ウチではカツオ昆布だしにサッとくぐらせ、温かいまま提供します。すると、身の強い旨みを感じていただけます。

だしは、利尻の昆布、枕崎産の血合いなしのカツオ節からとったものに、宮城県気仙沼産の伊達塩を加えたものを使ってます。

骨切りし、一口大に切った鱧の皮目を下にして網じゃくしにのせ、沸いただしに落とします。この時、皮目だけをだしに浸けるように。身が花咲くようにチリチリッとなったら、すべて鍋の中へ。金串のようなもので皮を刺し、スッと通り、身全体がくるん、となったら引き上げます。

ザルに上げ、青柚子を振り、梅肉とワサビを添えて。梅肉は、紀州の梅干しと塩辛い梅干しを叩き合わせて裏濾しし、酒・みりん・刺身醤油を加えて1年寝かせたものを使用しています。

口に入れた時に旨みが増幅するよう、カウンターでできたてを「温かいうちにどうぞ」と言ってお出しします。

『祇園 川上』流、鱧(はも)の湯引きの作り方

骨切りした鱧を一口大に切る(➡『祇園 川上』流の鱧の骨切りはコチラ)。
鍋にカツオ昆布だしを沸かし、皮目を下にした①の皮目部分のみ浸け、身がチリチリッとなったら、すべて鍋の中へ入れる。

鱧の湯引き調理シーン

金串などで皮目を刺し、スッと通ったら引き上げる。

鱧の湯引き引き上げ

ザルに上げ、青柚子を振り、器に盛る。梅肉とワサビを添える。

鱧へ柚子を振りかけるシーンと鱧の湯引き料理完成

『祇園 川上』店主・加藤宏幸さん加藤さんは、1968年生まれ。1986年に『祇園 川上』へ入社し、4年修業した後、「ホテルオークラ」へ。京都・三条の日本料理店『河しげ』にて経験を積んだ後、32歳の頃、再度『祇園 川上』へ。11年前より、二代目として店を取り仕切る。


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