青のりが昆布に化けた!?『くれは製菓』の「昆布おはぎ」
関西、特に京都の人間なら「青のりのおはぎ?」と思うかもしれないこのビジュアル。ふわりと纏(まと)うのは、富山で愛される「黒とろろ昆布」です。富山『くれは製菓』米田宗尚(むねひさ)さんは、和菓子の本場・京都で学んだ経験と富山の食文化を掛け合わせ、斬新なお菓子を考案。「クセになる」人が続出し、じわじわと人気を集め10年続く定番商品に。米田さんは同業者にも持ちかけ、富山の新定番としての普及を目指しています。
まるで「とろろ昆布おにぎり」な見た目のおはぎ
ここ数回の「昆布はどうなる?」富山編で、幾度となく登場した「とろろ昆布おにぎり」。昆布の消費量が多いことで有名な富山ならではのソウルフードともいえる存在だ。
画像提供:とやま観光推進機構。
今回取材した『くれは製菓』の「昆布おはぎ」は、一見すると黒とろろ昆布のおにぎりそのもの。しかし、中心に埋まっているのは梅干しでも、鮭でもおかかでもなく、甘いこし餡。昆布好きな富山の人にとっても、斬新なスイーツとして目に映る一品ながら、一度食べると甘じょっぱさがクセになるという声も多い。
「この昆布おはぎは、私が考案したオリジナルです。私が和菓子の本場・京都にある製菓学校で学んでいた時、あちこちで鮮やかな緑色の青のりおはぎが当たり前のように売られているのを見ました。その後、実家の菓子屋に入り新メニューを考えていた際に、富山では珍しい青のりおはぎを販売してみようと思ったのです。しかし、店に並べてはみたものの、お客さんの反応はイマイチで全然売れない。だったら、同じ海藻の『とろろ昆布』で作ってみたらどうだろうと思ったのです」と米田宗尚さん。
あれほど青のりに抵抗があった地元の人も、普段から食べ慣れている黒とろろ昆布を使ったおはぎには関心を示し、リピーターが増えて今日に至る。2012年の発売から10年以上、毎日店頭に並ぶ定番商品になった。
システムエンジニアから菓子職人になった二代目・米田宗尚さん。関西の製菓学校で学びながら、早朝や週末に数軒の和菓子屋でアルバイトをしていた時の経験が「昆布おはぎ」の誕生につながった。
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