【動画レシピ付き】つるんとした食感が面白い「水茄子まんじゅう」
大阪の夏を彩る野菜に水ナスがあります。発祥は泉州の貝塚市といわれ、関西ではこの時季、割烹や居酒屋だけでなく、フレンチやイタリアンでもよく使われます。みずみずしく甘みもあるので、生食向きのイメージが強い水ナスですが、「火を入れた美味しさも知ってほしい」と、大阪・北新地の割烹『さか本』元大将の坂本靖彦さんは話します。そこで今回は、オリジナルのレシピを動画で大公開します。
水ナスはその名の通り、みずみずしくて、他のナスに比べて甘みも強いですね。生食できるナスなので、浅漬けやサラダにしても喜ばれますが、実は炊いても美味しいんですね。うちの割烹では、夏の定番として、エビだしでミョウガとさっと炊いた「水茄子茗荷煮」をお出ししていました。この作り方は昨年、動画配信しましたので、ぜひ見てみてください。
今回配信する「水茄子まんじゅう」も、負けず劣らず人気がありました。
水ナスは皮が柔らかくて、アクも少ないんですね。この特徴を生かし、すり下ろして生地を作り、蒸してから揚げています。すり下ろすとすぐにアクが出るのですが、多少のアクは味のうち。逆にアクがまったくないと物足らない味になるんですよ。
実は蓮根まんじゅうのアレンジ版なのですが、水分があって、でんぷんのない水ナスを固めたらどうなるんだろう?と思ってやってみたら、つるんとした面白い食感になって。ナスらしい風味も際立って、なかなかいい料理ができました。
水ナスの時季が終わったら、千両ナスでやっても美味しいですよ。水ナスはジューシーさや甘みも味わってもらいたいので、塩茹でにして、まんじゅう生地の芯にも入れたのですが、千両ナスの場合は焼きナスにして加えると香ばしさが増していいですね。
あんかけのだしは、カツオ昆布だしと干しエビのだしを半々で割っています。干しエビのだしの作り方は、「水茄子茗荷煮」を参考にしてくださいね。
「水茄子まんじゅう」の作り方
<水ナスを茹でる>
① 水ナスのヘタを取り、縦半分に切って軽く塩を振って10分おく。
② ①を串がすっと通るまで約10分、塩茹でし、陸上げしておく。
③ 粗熱が取れたら一口大に切り、キッチンペーパーで余分な水分を拭き取る。
<水茄子まんじゅうの生地を作る>
④ 水ナスを皮ごとすりおろす。
⑤ 鍋に④を180g、水溶き吉野葛90㎖、カツオ昆布だし126㎖(0.7合)を合わせ、中火にかけて煉っていく。固まりかけてきたらとろ火に変え、ヘラで持ち上げるとゆっくり落ちるくらいまで練り上げる。
⑥ ⑤を5~6等分し、芯に③を4切れほど入れる。③がはみ出ないようにしてラップで包み、茶巾にして輪ゴムで止める。
⑦ 蒸気の上がった蒸し器で⑥を約10分蒸し、常温で冷ましておく。
<仕上げる>
⑧ ⑦に片栗粉をつけ、170℃で揚げる。
⑨ 鍋にカツオ昆布だしとエビだしを1:1で合わせ、温める。淡口醤油・濃口醤油・みりんで味を調え、水溶き吉野葛でとろみをつける。
⑩ お椀に⑧を入れ、⑨をかける。針ミョウガ、軸三ツ葉、おろしショウガをあしらう。
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