日本料理のことば

おせち【御節】のレシピVol.3車海老と数の子

「辻󠄀調理師専門学校」の岡本健二先生に教わるおせちレシピ、最終章。Vol.3では、おせちの中でも主役級の存在感を放つ、しっとり色鮮やかに煮上げた車海老の酒煮と、カツオの風味が利いた数の子をご紹介します。どちらも工程は少ないですが、一つ一つの調理を丁寧に行うことがポイントです。

聞き書き:阪口 香 / 料理制作:「辻󠄀調理師専門学校」岡本健二
撮影:東谷幸一 / 協力:辻󠄀調理師専門学校

目次


「車海老酒煮」は色鮮やかに、しっとりと

エビは、長いひげと曲がった腰が老人に見えることから、長寿を願って用いる食材です。今回の酒煮も、エビの腰をしっかり丸めた状態で煮上げます。また、紅白の色も縁起が良いため、おせちには欠かせません。

紅白の色を鮮やかに出すポイントは、煮たらすぐに急冷すること。煮汁からエビを取り出して別々に冷やしてもいいですが、鍋底に氷水を当てると手っ取り早いです。
その際、鍋やボウルを回転させ、さらに鍋際の冷えた煮汁をエビにかけるようにするとより早く冷めます。

しっとりと煮上げるには、火加減が重要。強火で一気に煮ると硬くなりやすいので、煮汁が軽くフツフツと沸いている状態が理想。目安は、エビ10g当たり1分。今回は30gのエビですので、3分でしっとり火が入るような火加減を心掛けましょう。

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