日本料理のことば

【レシピ付き】ぜんざい(善哉)

小豆と餅からなる甘味を「ぜんざい」といいますが、関西と関東ではイメージする姿が異なります。写真は、関西スタイルのぜんざい。関東ではお汁粉、もしくは田舎汁粉と呼ばれるものです。調理いただいた「辻󠄀調理師専門学校」の竹本正勝先生曰く「どれだけキチンと小豆を茹でるか」がポイント。小豆の持ち味を引き出すコツを丁寧に教えていただきました。

聞き書き:阪口 香 / 料理制作:「辻󠄀調理師専門学校」竹本正勝
撮影:東谷幸一 / 協力:辻󠄀調理師専門学校

ぜんざいの出来を左右するのが、小豆の皮の柔らかさ。なので、なるべく小豆は新ものを選びます。今回使うのは丹波産の大納言。粒が大きく、風味がしっかりしています。

小豆を水洗いした後、水から2回茹で、グラニュー糖で味を含めます。この工程の中で特に大切なのが、1回目の茹で具合。下のレシピ写真のように、小豆の皮にしっかりしわが寄るまで、また、差し水をした後に皮が伸びきるまで茹でます。

この工程を怠ると、小豆の皮が柔らかくなりません。料理人の中には、赤飯の色付け用に早い段階で煮汁をあげてしまう方もいらっしゃいますが、豆を美味しくするためには丁寧に行う方が良いです。

茹でる途中に差し水をするのは、小豆の中まで水分を吸わせるため。煮汁と小豆の中心部分の温度を均一にすることで、効率良く水分が吸収されるんです。そのため、煮汁の温度が50℃以下になるように水を加えます。

茹でた後の渋切りも重要です。小豆の表面には、渋味やえぐみの原因となるタンニンという成分が残っています。丁寧に除くことで、出来上がりの味が変わってきます。

今回、砂糖はグラニュー糖を使いました。上白糖に比べるとすっきりとした甘さに仕上がるので、料理の後のデザートとしても食べやすいかと思います。

➡「ぜんざい」の言葉のはなしはコチラ

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