日本料理のことば

【レシピ付き】しぎ焼き(鴫焼き)

「辻󠄀調理師専門学校」大引伸昭先生に教えていただいたのは、しぎ焼き。ナス味噌田楽を表す料理名ですが、今回は語源を踏まえて鶏肉を使いつつ、創意ある一品に。ピリ辛味噌入りの鶏ひき肉や表面に塗った油ダレで、夏に食指が動く料理です。

聞き書き:阪口 香 / 料理制作:「辻󠄀調理師専門学校」大引伸昭
撮影:東谷幸一 / 協力:辻󠄀調理師専門学校

目次


桂剥きしたナスに鶏ひき肉生地を塗って、巻いて

「しぎ焼き」のルーツとなった「鴫壺(しぎつぼ)」は、くり抜いたナスの中に調理したシギ肉を入れたり、その上にシギの頭を模したものやクチバシを付けた料理のこと。江戸時代にはナス味噌田楽を表すことばに転じていたのが、今では名前に寄せて、鳥の肉を使うこともあるナス料理となりました。

▼「しぎ焼き」の言葉のはなしはコチラ

「鴫壺」を再現するとせっかくの肉が隠れてしまいますし、単にナス味噌田楽を作っても芸がない…と思い、今回、ちょっと捻った一品に仕立てました。

桂剥きにしたナスに、赤味噌や甜麺醤(テンメンジャン)で調味した鶏ひき肉を塗り広げて木ノ芽をのせ、棒状のナスを芯にしてくるくるっと巻いて焼く。油ダレを塗って炙ったら、ご飯やお酒を呼ぶ料理になります。裏テーマは、麻婆ナス(笑)。ピリ辛味噌が後をひきますよ。
仕上げはシギのクチバシをイメージし、斜めに切って盛り付けました。

ポイントはナスの桂剥きの厚さと、鶏ひき肉の作り方。
ナスの桂剥きは2㎜厚がベスト。これ以上厚いと巻き込む時に折れてしまうことがあります。
鶏ひき肉と調味料を混ぜ合わせる時は、赤味噌や甜麺醤など質感が似たものから合わせていくと混ざりやすいです。その生地の半量に火を通し、生の生地を合わせます。半量に火を入れるのは、後で焼いた時に生地が縮むのを抑えるためと、香ばしさを出すため。香り付けのネギやショウガ、食感が良い松の実を加えて鶏ひき肉の生地とします。

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