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里芋、小芋(子芋)の人気レシピ

これからの季節、旬を迎える里芋。旧暦八月十五夜は「芋名月」と呼ばれ、現在でも月見の時(新暦では9月中旬~10月上旬頃。2025年は10月6日)に食べる習慣があり、飲食店で提供されることも多いです。WA・TO・BIでも、これまでいくつもの里芋レシピを掲載してきました。今回はその中でも特に人気のあったものをピックアップ。プロの技、冴えたアイデアを感じるものばかりです。

文:阪口 香 / 撮影:東谷幸一

目次


衣被、変わり衣被——大阪「辻󠄀調理師専門学校」

大阪「辻󠄀調理師専門学校」の衣被、変わり衣被撮影/東谷幸一

「辻󠄀調理師専門学校」の今村友美さんに、料理名の由来を紐解いていただく連載「日本料理のことば」。「衣被【きぬかつぎ】」の回では、同校の大引伸昭先生に、ベーシックな衣被と、肉きのこ味噌・煎り酒盗・和風タルタルを衣被にのせた「変わり衣被」のレシピを教わった。

肉きのこ味噌は、合挽き肉・舞茸・土ショウガを炒め、赤だし用味噌と白味噌、調味料を加えて煮詰めたもの。煎り酒盗は、酒盗に酒を加えて火にかけた後、裏漉しし、その残り汁に卵黄とみりんを合わせて湯煎にかけ、ポロポロの状態になるまで火を通したもの。和風タルタルは、ラッキョウ甘酢漬けとマヨネーズをミキサーにかけ、木の芽を加えてスダチの搾り汁で味を調えたものだ。
肉きのこ味噌にはケシの実、煎り酒盗には刻んだバターをのせて仕上げる。

▼衣被、変わり衣被のレシピはコチラ


小芋の白煮(はくに)と、小芋海老あんかけ——大阪『さか本』

大阪『さか本』の小芋の白煮(はくに)と、小芋海老あんかけ撮影/福本 旭

大阪が原産の石川小芋(石川早生)は、繊細な風味と色の白さが特徴。それらを損なわないように煮たのが写真左の「白煮(はくに)」。だしと塩・みりんだけで炊き始め、煮上がりに淡口醤油を少々。醤油に頼らず深い味を付けるため、煮汁はひと煮立ちさせたら追いガツオをする。煮上げたらそのまま数時間置き、味を含ませる。
「白煮」のアレンジ版が写真右の「小芋海老あんかけ」。あんの食材は、通年手に入る活けの車エビ、銀杏や百合根、キクラゲなど。淡口醤油とみりんを少し加えた吸い地で煮て、葛でとろみをつける。「白煮」を揚げたものにかけたら完成だ。

▼小芋の白煮のレシピはコチラ
▼小芋海老あんかけのレシピはコチラ


雲丹入り子芋のとろろ被(が)け——大阪『㐂川(きがわ)』創業者・上野修三氏

大阪『㐂川(きがわ)』創業者・上野修三氏の雲丹入り子芋のとろろ被(が)け撮影/東谷幸一

一見、煮た子芋にとろろがかかった一品かと思いきや、中にウニが入っているという、遊び心ある「雲丹入り子芋のとろろ被け」。子芋を下煮した後、淡口八方煮にし、くり抜いてウニを詰める。くり抜いた子芋を輪切りにして蓋をし、すりおろした子芋に山芋とろろを加え、昆布だしでのばして調味したものをかけたら完成だ。

▼雲丹入り子芋のとろろ被(が)けのレシピはコチラ


里芋とエビのポテトサラダ——大阪『食堂 燈』

大阪『食堂 燈』の里芋とエビのポテトサラダ撮影/福本 旭

食べるとほんのり温かく、ネチッとした食感がクセになるポテサラだ。
里芋は事前に八方だしで煮含め、提供直前に大小に切り分けて油で揚げ、大きい方はマッシュして摺りたてのワサビとクレソンを和える。そこへ小さく切って揚げた里芋とエビ、ほんの少しの塩と薄口醤油を。器に盛ったら、たっぷりと穂ジソをかけて完成。爽やかな風味とコク深さが同居した、料理屋らしいポテサラとなる。

▼里芋とエビのポテトサラダのレシピはコチラ

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