【レシピ付き】キスとキュウリの砧巻き
薄くてやわらかい布(衣)状の食材で、異なる食感や色味のものを巻いた料理・砧(きぬた)巻き。今回「辻󠄀調理師専門学校」小川 健(たけし)先生に教えていただいたのは、初夏らしい清涼感ある一品。昆布〆したキスと青紫蘇を、桂むきにしたキュウリで巻き、端正に仕上げました。
撮影:東谷幸一 / 協力:辻󠄀調理師専門学校
キスはねっとり、キュウリはパリッと仕上げる
砧巻きは、日本料理のコースの中でも前菜や八寸の一品、酢の物など、いろんな献立で登場する料理です。巻くもののバリエーションも豊富で、春なら薄焼き玉子で巻いたり、秋冬ならカブや大根でスモークサーモンを巻いたり。夏ならアジをキュウリで巻くのも定番ですね。
今回は昆布〆したキスを、キュウリで巻きます。
キスのねっとり感と、パリッとしたキュウリの食感のコントラスト、白身魚特有の繊細な味わいを生かしたまろやかな昆布の風味が味の決め手です。
キスは三枚におろして腹骨と血合い骨を除いた後、立塩に15分浸けて余分な水分や臭みを取り、昆布に2時間挟みます。一般的な黒い昆布でなく白板昆布を使うことで、キスに色を付けず、程よい昆布の風味と塩味を付けることができます。
キュウリは桂むきの厚さが重要で、薄すぎず、厚すぎない3㎜くらいが理想。立塩に5分程度浸けると余計な水分が抜け、2㎜厚くらいになって巻きやすいですよ。また、この厚さなら巻いた状態で3~4時間冷蔵庫に入れておいてもキュウリがしわしわになることもありません。提供直前に食べやすい大きさにカットするといいでしょう。
添えダレは、ポン酢や醤油系ではキスの味が負けてしまうので、今回は煎り酒に。煎り米で少し香ばしさを立たせつつ、適度な旨みと酸味が加わって美味しい一品になりますよ。
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